日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

100万人の市民現場見学会へ行く

8時過ぎに起きて、朝飯食って妹の就職相談に乗ったりしているうちに昼前。駅まで歩いて綱島から渋谷、新宿へ出て丸の内線で中野坂上。待ち合わせてフジタの現場事務所へ行く。今日は「100万人の市民現場見学会」と称するイベントで、日本土木工業協会が主催して、さまざまな工事現場を見学しよう、という企画である。今日の現場は首都高速中央環状新宿線のトンネル工事のうち、中野本町出入口付近となっている。
http://www.dokokyo.or.jp/genba/
現場事務所に集まった人は25人くらい。20〜30代の若い人が多く、学生が結構いるようだった。「100万人の市民〜」などという呼び名から、近隣の住民が見学に来る様なイベントかと思ったのだが、どうやらインターネットで知ったスキモノの人が多いらしい。ま、自分たちもそうなんですが。日本土木工業協会的にこれがどうなのか、についてはシラナイ。この日は同時刻に、某大学の土木の学生団体も見学に来ていた。
まずはこの道路を作る意義やらを説明、開削工法によるトンネル工事の説明、工区と工事概況の説明、一通りの説明を聞いて、ヘルメットと軍手をお借りしていよいよ地下へと向かう。写真、今回の工区の真上で、山手通り。

地下に入ると、ふおおおぉ、凄い、地下は空洞だ。一旦、地下23mまで掘ったところに鉄骨が組み上げられて、一番下に厚さ1.7mの鉄筋コンクリに覆われた道路トンネルが造作され、しかも高速の出入口があるので地面に向かって伸びてくる鉄筋コンクリの塊があり、さらにその上の部分では水道管、ガス管、電話線、色々な管がむき出しになって走り、そして今の山手通りは、鉄骨の骨組みの上の蓋を通っているのだ。ビルの屋上を道路が通過しているが如し。写真は、ちょっと地面に潜ったところから、高速道路の空洞の上の部分を見下ろしている。「地面に潜って」はいるのだが、鉄骨で組まれた足場の上にいるのだ。


さらに少し、人一人がやっと通れる階段を下る。この階段が本当に「工事現場そのもの」な階段で、突き出した柱に頭をぶつけそうに。最初にヘルメットが配られた時、そりゃ現場で着用は義務だろうけど大袈裟だよな…と思ったが、大間違いだ。ここではヘルメットは必須装備だ。道路の上の部分に出てくる。この下が丁度出入口になる部分。

この辺りはまさに工事の真っ最中で、これからコンクリートを流し込む鉄骨、流し込んで安定化を待つコンクリート、縦横無尽に地面と地面の間を走る足場、積み上げられた建築資材。おお、わくわくする。

そしていよいよ、道路本体へと下る、これまた狭い狭い階段を下る。

想像していたよりもかなり広い地下空間。出入口からの分岐がある部分なので、これだけ広いのだ。まだ鉄骨が残っているが、やがてこの鉄骨は撤去されて、何事も無かったかのようにトンネルだけが残る。一枚、ミニ三脚を使って露光時間を長くして撮ってみたが、曲がってしもうた。

この地下空間で、工事に関する資料をいただいて引き続き質疑応答タイム。いろいろと現場の話を聞けて楽しい。これでイベントは終わり。出発点まで戻って解散と相成る。予想以上に楽しめ、非常に良かった。
現場事務所を出て山手通りの歩道橋上から写真を撮っていると、同好の士が他にも。こういうスキモノの方が大勢集まるイベントなのですね。日本土木工業協会的には、もっと土木と建設にご理解をいただいて、公共事業が必要なインフラ整備であり、工事も安全と環境に配慮してやっております…という事を理解していただく、あるいは、明日の土木を担う中高大学生に現場を見てもらって興奮して明日への希望を燃やしてもらう、というイベントなのかもしれないが、集まっているのはでっかいもの萌え、現場萌え、な人が主流。実際、趣旨からいってどうなんだろうと思わぬ事はないが、いや、楽しませてもらったしありがとうございます。今後も是非是非。写真つきのレポくらいはしますので。

BankARTschoolが面白そうな件

http://www.h7.dion.ne.jp/~bankart/whatsnew/bakaschool05first.html
横浜市トリエンナーレの開催を初め美術関係に力を入れていて、このBankARTってのもその一環で作られたんですが、2ヶ月単位ぐらいで講座もやってるわけです。で、6月からはじまるうち、土曜日のこれが妙に豪華なんだ。

国際展を考える 土曜日15:00〜17:00他
6/25 北川フラム「国際展のつくり方1」
7/2 川俣 正「第2回横浜トリエンナーレに向けて」
7/9 市原研太郎「国際展の見方」
7/9 小沢 剛「私の国際展体験」
7/16 石内 都「ヴェネツィアビエンナーレ報告」
7/23 清水敏男「国際展の新しい波」
7/30 南條史生「国際展とはなにか」
8/6 長谷川祐子「国際展のつくり方2」

北川、南條、長谷川の三人揃い踏み。受講料は全部で15000円。定員20人。時間さえあれば行ってもいいかな、と。ところで、磯崎新横浜トリエンナーレコミッショナーの件で卓袱台ひっくり返したとき、壇上にいて微妙に批判の矛先になったのがこのお三方だそうで…

興奮冷めやらぬまま

この時点でまだ4時前。せっかくだから「普門館」を見に行こう、というわたらせさんにみんなで乗っかり、丸の内線の支線で方南町まで出る。この時点で、私は環七を通るたびに見えていたロシア正教のような不思議な建物が「普門館」だと思っていたのだが、それは「大聖堂」であったらしい。ともかく駅から環七を北上して、見えたのがこれ



上から立正佼成会の「法輪閣」「大聖堂」「普門館」。なんというか、建築の方向性がバラバラで、非信者から見ると面白いだけなのだが、信者の人に言わせるときっとなんらかの一貫性があるのだろう。本当に無かったりして。それにしても大いに堪能。帰りは中野富士見町まで出たが、一帯は立正佼成会門前町になっているのですね。創価学会信濃町のようなものなのだな。

新宿の長い夜

その後、新宿まで出る。フエタロさんに似合う帽子を探そう、とデパートめぐりをして色々試し、実際こんなのが良さそうですね、という話になったのだが(買わなかったけど)、まんぷくやさんが何を試しても帽子の似合うこと。細長い顔だと帽子が似合うのだなあ。私は丸くて大きいので帽子はどうも似合わない。
その後、贔屓屋でビール飲みつつ、いろいろつまみつつ、二次会。スーパーカミオカンデの件とかいろいろ話した。
お別れして、紀伊国屋で別の待ち合わせ。そのまますし好へ。私は大概満腹なので刺身など少々つまみ、お相手は例によって例のごとくで、何だか深刻なような深刻でないような話色々。今日も芽ねぎの握りが美味しかった。新宿をぶらぶら散歩してお別れし、私はタワレコを物色して高田渡を一枚買って帰宅した。

いまさらながら…

個人的なYes/Noを尋ねているときに一般論とか持ち出されると、興ざめ
http://d.hatena.ne.jp/flakesnow/20050601/1117678935

この部分、自分としてはかなり心に深く突き刺さる、というか、重く受け止めたい。いやflakesnowさんに対してどうこう、とかそういうことではなくて、私個人の対人関係の中で、そう思われている場面があるんだろう、と忸怩たる思いがある。
「男はそういうもんだからしょうがないよ」とは、面と向かってはさすがに言えない。失礼だな、誠意が無いな、と自分なりに思うから。それで、言葉を失くして黙ってしまうことはもっと失礼なのかもしれないけれど。
対人関係の中で、「しょうがない」で片付けてしまったほうが円滑に進むことも往々にしてあると思う。自分の両親見ていると、いい加減30年近く夫婦やっているんだから、もうちょっと諦める、というか、相手がどういう人間か判っているだろうに…と思うこともある。だけど、基本的には、どこかで、むき出しにして衝突するしかないんだろう。
なんて、当たり前のことを書いてしまった。

あ、ちなみに、「私憤を公憤に置き換える」という言い回し自体は日垣隆からの貰いです。男は…的な文脈ではなかったですが。