日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

DIGITAL ART FESTIVAL TOKYO 2006

土曜日である。7時には目が覚めて、今週も疲れたなあ、としばらくだらだら。11時半ごろに出かけて、まずは渋谷へ。石原都知事関係で最近取り沙汰されている『トーキョーワンダーサイト渋谷』へ行く。パルコ前の、公民館?か何かの奥のほうにひっそりあるんですね。『デジタルアートフェスティバル東京2006』の主会場の1つになっている。
えっとね、こっちは、エドウィン・ファン・デル・ヘイデの「LSP」という、レーザーと音が輻輳する作品が面白かった。以上。どうも、あんまり、環境的にもパッとしない会場で、東京都は何にお金を掛けているのだろう?というのが率直な印象ではある。
渋谷駅から山手線で大崎、乗り換えて国際展示場前。もう一つの…というか、主会場の『パナソニックセンター東京』へ。こちらは、興味深い作品が沢山あった。淀川テクニックと岡本高幸の作品は、取手とほとんど同じものだったけれど。

マルニクス・デ・ナイス&エドウィン・ファン・デル・ヘイデの『Spetial Sounds』という作品は、スピーカーが棒の先に着いたものが、周囲の人に反応して知性的に動いたり様々な音を発したりするものなんだけど、つまりインタラクティブ性がテーマらしいんだけれど、ちょくちょく勝手に暴走したり、ブブブボボボと暴力的な音を出しながら暴力的なスピードで廻ったりするので、てっきり機械の暴走とか暴力性をテーマにした作品かと思った。

松本秋則の『浮遊する音楽』、前に横浜のBankART1929で体験して、カラカラコロロと軽やかな音が、風が通るみたいに不規則に、あちこちから、発せられて、とても心地よい。


点いたり消えたりするネオン管と、その信号に反応して音を出すラジオの組み合わせ、伊藤篤宏の『OPT-0612』と『White Room』

筒の中の羽がふわふわと浮遊する、小松宏誠の『浮く冬』

光センサーと光源の組み合わせが壁に均等に並べられていて、光を遮ると緑に点灯する仕組み。影が移動すると、パタパタと小気味良い音を出して光る、いわば影が光になる、なんとなくアナログな感じがして楽しい、小西俊也の『眺めのざわめき』とかあるのですが、目を惹いたのが

岩田洋夫の『ロボット・タイル』という作品。この写真だけだとなんじゃいな?という感じですが、このタイル、上に乗って一定の方向に進んでいくと、タイルが進む方向に次々に移動してきてくれて、いつまでも歩き続けられる、という不思議なタイルなのです。んー、動画でお見せしたい…おお、貼れた!動きが近未来ですよねえ。うーん、素晴らしい。この作者の岩田洋夫さんは筑波大の先生なんですが、こういう、不思議なものを沢山作っていて、実に面白い人だ。
http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/
その他にも、いろいろと、耳目惹かれるものが多かったですよ。

DESIGN FESTA vol.24

それから、ビッグサイトへ。年に2回のビッグイベント、DESIGN FESTAへやってきた…と書きつつ、どんなイベントだかさっぱり知らなかったんですね、私。プロフェッショナルの人ばっかりだと。そうしたら、アニハカランヤ、これはコミケみたいなもんなんですなあ。
小さなブースに、皆さん、思い思いの絵画、小物、陶磁器、アクセサリー、写真、ネタTシャツ、音楽、パフォーマンス…とにかく、ありとあらゆる表現の洪水。レベルも、本当にそれで生計を立てている人から、玄人はだしの人、趣味でやってるんだろうなあ、って人、さらにはオカンアート一歩手前(というか、まんまオカンアートってのもある)のものまで、レベルも雑多だ。

これは、凄い、おじいさんが作ってる指人形。指人形で似顔絵、なんてこともしてた。

東京芸大の人達が作ってたお神輿。
それから、写真には撮らなかったけれど、興味惹かれる絵、写真、デザインも沢山あった。
昭和のいる・こいる根本敬にインタビューしている『マガジンタイポ』ってweb雑誌?とか
http://magtypo.com/
名古屋の不思議な絵画きの、安楽雅志さんって人とか(似顔絵よりも、名古屋ネタの変なイラストのほうが面白い)
http://www.pleasure-p.co.jp/higeraku/
それから、サイトは無いんだけれど、「がらくた工場ウジタ」さんというのが凄い。どこかに旅行に行ったり、友人の記念日やら結婚式のたびに、その人向けの作品を作って贈っている人。その作品が、どれもクオリティが凄く高くて、ウィットに富んでいて、とにかく面白い。アマチュアリズムのアートの最前線にいる人だと思った。言及している人がいたので
http://cosachi.blog36.fc2.com/blog-entry-14.html
追記(2007.1.10):その後、ご自身のサイトを作ったようです
http://www.garakutakojo.com/
あ、それから、タチコマみたいのが自走していた

なんだか、あっちこっちで変なパフォーマンスはやってるし、変な音楽は流れているし、へんな匂い…はあんまりしなかったけれど、散々飲み食いしていて、会場全体が混沌としていて、大人の文化祭だった。みんな楽しそうだった。なんかね、考えちゃいますよね、表現欲ってなんなんだろーかなあ、って。

お船に乗って六本木のギャラリー

会場をあとにして、船で帰ろうと。日の出桟橋行きのシーバスに乗る。夕暮れ時で、だんだん寒くなろうかという中、お船から見えるのは

ブルジョアジーな皆様のための保養施設『東京ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート』、前に一度ご紹介しましたね
http://d.hatena.ne.jp/zaikabou/20050520#1116543673
お船は進んで

レインボーブリッジも

日の出桟橋からてくてく歩いて大門、地下鉄に乗って六本木。芋洗坂に出て、ギャラリーを何軒か。篠山紀信とか
http://www.tgn.co.jp/hall/arts/kishin2.html
六本木コンプレックスへ…。『OTA FINE ARTS』では、草間彌生のコレクション展。今年の新作、白いドローイングを数点含む。『ヴァイスフェルト』では、忽那光一郎の写真展『風速0』。飛行機の描く軌跡の写真を撮ったもの…なんだけれど、それよりも一緒に写っている、クレーンやコンテナやタンクに惹かれる。『アートルームmagical』の、うつゆみこのきぼちわるい写真が強烈。

六本木のクリスマスツリーは…

六本木ヒルズに出て、電飾を眺める。

こんなのとか

こんなのとか

こんなのとか

で、ですね、アレを見に行ったわけですよ、あれ。

東京・六本木ヒルズの最上階にある東京シティビューに、高さ8メートルのクリスマスツリーが登場。 カップルや家族、動物などがキスをしている写真700枚が飾られ、「幸せなクリスマス」を演出している。
http://blog.livedoor.jp/news2chplus/archives/50383028.html

そう、これ。はい、こちら


ううう、何がMerryChristmasだ、何がLove&Peaceだ!ってのもあるんでしょうけれど…『キスしている写真』っての自体は、モノトーンで目立たないように貼られているので、よく見ようと思ってもあんまり見えないんですよ。ですけれどもね…
どっちかというと、写真の下のほう見てください。人間が転がっているでしょう。あそこに大き目のお座布団がですね、鴨川等間隔もかくやという感じの、絶妙な間隔で並んでいてですね、カップルが一つ座布団の上に仲良く並んで寝転んで、べったりくっついて、ツリーの中の方を覗き込んでキャッキャウフフとか言ってやがるんですよ!みんな転がってるんだよ!うううう…
ああ、うう、もう帰る。帰宅途中、美形のカップルが、電車内でポケッタブルの将棋に興じていて、なんか、ちょっと、和んだ。