金曜日、今日は帰宅勤務。
NHKの朝のニュースを見ていたら、コロナ禍の女性の雇用危機で、2ヶ月間かけて記事の書き方や写真の撮り方など講習を受けて、ネットで記事を書く仕事を始めた、最初の仕事は飲食店の紹介記事で報酬は3,024円、という話をやっていた。うーむ…
仕事の合間に、来月の旅行の予約をもろもろ済ませる。酒田のお寿司、村上の鮭、料亭、楽しみですね…
仕事終わって、晩御飯は家で。ありもので済ませました。
横浜美術館で開催中の「トライアローグ」展の内覧会で、特別に写真を撮らせてもらったりしながら鑑賞してきた
トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション | 横浜美術館 (yokohama.art.museum)
横浜美術館、実はこの展覧会が終わると、3年近く閉館しちゃうんだよね…。1989年のYES’89、横浜博覧会の時に建てられてもう30年になるから、見えないところにいろいろガタもきていて、大規模修繕が必要なのでしょう。
横浜美術館はコレクションの充実ぶりでも知られていて、時として企画展よりもコレクション展のほうが面白い場合もある。そのコレクションの充実ぶりについては、あるサイトに書いたこともある
横浜美術館はコレクション展も面白い | 創造都市横浜 (yokohama-sozokaiwai.jp)
その横浜美術館と、上記の記事でも名前をあげた愛知県美術館と、そして富山県美術館のコレクションも持ち寄って開催されるのが、今回の展覧会。特に近代の絵画のコレクションに定評のある3館による合同企画だから、非常に充実した内容になっている。
ちなみに話は逸れるんですが、地方の公立美術館の名前、「〇〇美術館」なのか、「○○(都道府県or市町村)美術館」なのか、「○○(都道府県or市町村)立美術館」わからなくなることが多くないですが。あれ、どういう基準で名付けるんだろう。そして山形美術館は山形市立でも山形県立でもない不思議。
話が逸れた。さて今回の展覧会である。入っていきなり、どーん、と、ピカソが並ぶ
日本の公立美術館、時々、とにかくルノワールとかモネとかみんなが知ってる名前が欲しくて、いまいちな作品、買える作品を作家名だけで買ってしまっているようなとこともある。しかし今回の3館については、そういうことは微塵もない。どれもピカソだぞ、○○だぞ、という作品をしっかり持っている。
今回のトライアローグ展、20世紀美術をテーマに、30年区切り3章立てで、各館自慢のコレクションが並ぶ。そしてピカソのコーナーのように、同じ作家の作品を3館が持ち寄って並べるコーナーも多数ある。
どの作家の競演も、よい作品が並んで見ごたえがあるのだ。特に好きなのは、パウル・クレーとか
ポール・デルヴォーもよい
日本の公立美術館すげーな、いいもの沢山持ってるな、となるのだ。
今回の企画展は、別にコロナ後に持ち上がった話ではなく、それ以前から時間をかけて練られたもの。しかしながら、コロナ禍で海外から作品を持ち込むのがよりむつかしくなっている現在、国内の美術館のコレクションを持ち寄っても、これだけすごいことができるぞ、地元の美術館のコレクションを見直すぞ、というよい機会になっていると思う。
10年以上前、日本中の公立美術館のコレクションを集めた展覧会が行われた時も、そんなことを思っていた
フランシス・ベーコンも並んでいて、この展覧会、作品評価額的にもえらいことになっているのでは…と思いますよね
ちなみに右の作品はベーコンではありません、イヴ・クラインです。愛知県美術館にはベーコンは無かった。勝手にあるような気がしていたけれど、あるのは豊田市美術館であった。
いま、全国の公立美術館、作品購入予算は潤沢とはまったく言えない状態なので、特に現代美術については、しっかり目利きして安いうちに買っていた美術館の資産がすごいことになっているわけですね…。
1900年~、1930年~のコーナーはわりとお行儀よく作品が並んでいるんだけど、1960年代~のコーナーはなかなかアグレッシブな陳列になっていて、このコーナーなどは、一目でいろんな作品が飛び込んできてすごく贅沢
富山のリヒターも良い…今、公立美術館が絶対買えないお値段ですよ
3館が持ち寄ると、思ってもいなかった構成が出来上がる。この右側のジム・ダイン、3点のうち両端が同じ館、真ん中だけ違う館だったり
見分けのつかない作品、メレット・オッペンハイムの「りす」が2つ並んでいたり(あとで取り違わないだろうか…)
とにかく最初から最後まで、一線級の作品ばかりが並び、工夫が凝らされた構成がなされているので、見たぞ、という満足感がとても高い展覧会なのだった。
とにかく、この展覧会が終わると横浜美術館にしばらく入れなくなってしまうので、そういう意味でも、特に横浜市民各位、行ってほしい。日時指定予約が必要になっているので、お忘れなく
チケット | トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション | 横浜美術館 (yokohama.art.museum)
なお、今回の展覧会後、当然、この企画展は巡回するわけですが、あいちトリエンナーレのメイン会場としてもおなじみの愛知県美術館はもちろん、富山県美術館も非常に良い美術館なので、この巡回展に限らず、ぜひ行ってみてほしい。そして寿司を食べたり日本酒を買ったりもしてほしい
企画展のあとはもちろん、コレクション展も。今回は近現代美術の良いところを企画展に取られているのだけれど、それでも横浜美術館はいくらでも物持ちなのです。
なお、これ以降は、いつも通り写真撮影誰でも可能
今回は横浜の歴史にスポットを当てているので、特に横浜市民各位には興味深い内容だろうと思う。川上澄夫、大好きです
戦後の野毛あたりの写真とか
もちろん、横浜焼もあるぞ
関東大震災を描いたものも
そしてカラス
トライアローグ展は2月28日まで。その後、愛知では2021年4月23日(金)から6月27日(日)まで。富山では2021年11月20日(土)から2022年1月16日(日)まで、巡回の予定です