日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

大地真央は偉い

新聞に時々出ている、近未来通信の大きな広告、ご覧になったことがあるだろうか。IP電話の中継基地局になりませんか、という、あれ。自宅にいるだけで、たいした営業努力もなしに副業になりますよ、という、あれ。
どう見てもあやしい。実際に怪しいかどうかは分からないが、それにしても怪しい。怪しく見える。そして、その内容の怪しさにいや増して怪しさを加味添付お供えしているのが大地真央
大地真央が、和服だか沖縄の礼服だか朝鮮の礼服だか、なんだかわからない格好をして、ぬぼうっと突っ立って、焦点の合わない目でこちらを見て、微笑んでると言ったらいいのか、惚けていると言ったらいいのか、とにかく怖いんである。
詐欺まがいの商売をしている会社が摘発されると、そのCMに出ていたり、広告塔になっていた芸能人が批判されるのはデフォルトである。あなたが出ていたから信じたんですよ、あなたが薦めているから買ったんですよ…。あなたは会社の内情を知っていたんじゃないのですか。なんでそんな仕事を受けたんですか。
しかし、大地真央は責められない。たとえ、この会社が後々摘発されるようなことあっても、大地真央は責めてはいけない。むしろ賞賛されるべきだ。大地真央は、その焦点の定まらない目で虚空をぼんやりと見つつ、力なく茫洋と立つ姿で、まるで狂女か狐憑きかと見紛う装いで、無言の行で、言っているのである。あの目が言っているのだ。信じるな、信じちゃいけない、と。