そんなわけで、20時45分の飛行機に乗る。機内で落語、ANAの国際線就航20周年を記念して20年前の録音を流していて、なんと桂春蝶であった。洒脱な味わいがなんとも言えない。そんでもって、他に志ん五と、桂米朝。米朝師匠の元気な声（去年の11月の録音）が聞けて嬉しかった。
全日空と日航で、機内プログラムの演芸の質の差は段違いで、日航のやる気の無さたるや惨々たるものである。まともに演芸を見る目がある人間がやっていたら、あんな碌でも無いラインナップは絶対にしない…というか、逆に有害だから流さないで欲しいと思うこともしばしば。それに比べて、今回のプログラムなんか素晴らしいですよ。
落語聴きつつ、窓の外は、京都の碁盤目、琵琶湖周辺、広い濃尾平野、静岡の街…と、煌く夜景の連続で思わず息を呑み、なかなか結構な夜であった。
羽田からは横浜行きのバスの左側に陣取り、港湾地区の夜景にハアハアし、綱島駅前のラーメン屋でラーメンと餃子を食べて帰ってきた。
さっき風呂に入ったのだが、目を閉じたときに、広い…それは荒野ではなくて、言うなれば行政府の中心地の、計画された殺風景な広大さ…とにかく広い道を、向こうの方から4頭立ての大型馬車がかっぽかっぽと近づいてくるイメージがそれはそれはリアルに浮かび、いったいなんだろうと首を捻る。
