日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

大阪市美術館『ボストン美術館』国立国際美術館『美の響演』

本日は大阪出張。5時半過ぎに家を出て、新横浜からのぞみ1号に乗車、自由席では窓側の座席は空いてませんでしたね…。セブンイレブンで購入した朝飯を食べてうとうとしているともう名古屋、名古屋を過ぎると、窓の外の景色がのどかになり、ああ、今日もいい天気だなあ…

新大阪到着、御堂筋線に乗り換えて天王寺、外に出れば、ああ、来年オープンのあべのハルカスはすっかり出来上がったなあ…。ここに入る美術館は、国宝や重要文化財も展示可能であるとのこと

大阪のおばちゃんと親和性の高い草間彌生の大きな看板を横目に

大阪市美術館へと通じる公園のオープン時間、9時半を待つ。この、天王寺側からの公園の入り口の朝、大阪らしいおっちゃんが駄弁っている光景が、ほんわかと好きなんだな。チケットを買って、中へ

ボストン美術館 日本美術の至宝』は、最初の巡回地、東京国立博物館で一度見てはいるのだけれど
東京国立博物館『ボストン美術館 日本美術の至宝』など - 日毎に敵と懶惰に戦う
かえってしまう前にもう一度見ておきたくなり、最後の巡回地、大阪へ…。というわけ。どうやら閉館の難は逃れそうな大阪市美術館、朝イチはさすがに空いており、じっくり見ることができた。細密な仏画の数々、…特に四天王図の豊かさが素晴らしい。快慶の仏像も優品。息を呑む平治物語絵巻、くぎ付けになる。京狩野、狩野山雪永納の過剰さよ。光琳の『松島図屏風』は、もう、奇跡と言うしかない物凄いデザイン性。そして怒涛の蕭白コレクション。なんなんだこれは、と唖然とする商山四皓図屏風に、圧巻の雲龍図!空いている空間だったので、ずいぶん長い時間、対峙していた。なんだか、見ているだけで胸のつかえが取れて、すっとするような気がする。ほんとにまた来て良かった!
特に、おそらく今年最高の展覧会になるであろう、京都国立博物館狩野山楽・山雪展を見た後では
在華坊(@zaikabou)/2013年04月13日 - Twilog
それを見た後での再訪は興味深いことばかり。山雪の『十雪図屏風』は、悠々たる雪景色の山水の中に展開される十の物語が、その全体とは不釣り合いに非常に細密で、その部分だけだと山楽山雪展の長恨歌絵巻を思い出させるが、なんだか不思議なバランスに成り立っている。弟子筋の永納『四季花鳥図屏風』も、部分部分の凄さと、全体としては崩壊しているのではないか、というバランスの不思議さ。この2点で京狩野に色々と想いを馳せるとは、すごい構成だな、と思ったわけであります。いや、ほんと、日本美術好きはみんなもう行ってるだろうけど、行って無い人がもしいたら、行ってほしいね…。おそらく、ボストンに戻っても、作品保護の観点から、向こう5年くらいは見る機会がないのではないか。
カタログなども購入して美術館を出て、新世界方面へ。通天閣の下にある餃子の王将で昼飯。なんばから地下鉄、客先で打ち合わせなどなどなど。
終了後、国立国際美術館『美の響演』を見る。関西の国公立6美術館の所蔵品で、セザンヌにはじまる20世紀の西洋近現代美術の主流を並べた展覧会。派手さは無いんだけれど、教科書的に構成がしっかりしており作品も優品揃いで、20世紀の美術史の勉強になりました。ロスコの4作品が別々の館から一堂に集まった空間が白眉かな。ちなみに関西の6国公立美術館というのは、国立国際美術館大阪市立近代美術館建設準備室、京都国立近代美術館滋賀県立近代美術館兵庫県立美術館和歌山県立近代美術館。出品数の多寡はあれど、兵庫の彫刻の豊富さ、滋賀と和歌山からロスコが来たり、それぞれ見所あるのでした。売店で関西エルマガジンにまた引っ掛かり、えるまがめ…と思いながら数冊購入

夕暮れの中之島をぶらり

大阪駅前第2ビルにある『たよし』へ。にぎわっているがどこか余裕がある不思議な立ち飲み。そしてめちゃくちゃ安い。このふわっふわの出汁巻は200円ですよ…

もずく酢(えび入り)120円、鳥たたきポン酢150円、値段がおかしい

この店については以前に詳しく書いたことがあるのですが、ほんと、すごい店であります。とことんまで効率化されているのに手をかけるところはしっかり掛けていて、それでいて、何人分の仕事もこなしているような店員さんに殺伐感がない…すごい
大阪の、安くてすごい店『たよし』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
ほろ酔い加減で店を出て、大阪からJRで新大阪、最終ののぞみに乗車。自分は10分前に並んでいたから自由席に座れたけれど、かなりの立客がいらっしゃいました。ぐっすり眠って新横浜、日付が変わることに帰宅したのでありました
在華坊(@zaikabou)/2013年05月17日 - Twilog