日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

東京国立近代美術館『都市の無意識』やら、お肉やら

土曜日、むっくり起き上がり、家事を済ませて朝飯食べて、9時半ごろにお出かけ。新橋まで東海道線で出て、銀座線で青山一丁目。ぶらっとして珈琲。また地下鉄に乗り、渋谷、ヒカリエへ。昨日、D&DEPARTMENT YAMANASHI に行ったときに、この沖縄本が出ていたことを知りまして

http://www.d-department.com/jp/okinawa/travel/
そして関連してヒカリエでイベントなどやっているとのことで。食堂で沖縄定食でも食べるか―、と来てみたんだけれど、ほかのものに惹かれて、長崎のアジフライ。おいしゅうございました。

ふんでまあ、こちらの展示も覗いて
http://www.d-department.com/event/event.shtml?id=1289503928273916
いろいろと沖縄物産を眺めてほっくほく。レンガブロックまで売っておったぞ。そいからまた、今度は副都心線に乗り、新宿三丁目伊勢丹へ。ちょっとお買いものして、都営新宿線と千代田線を乗り継いで根津、東京藝術大学大学美術館『夏目漱石の美術世界展』へ。一度来ていたんだけど
東京藝術大学美術館『夏目漱石の美術世界展』で“あの”作品や“この”作品が - 日毎に敵と懶惰に戦う
再訪したのは、酒井抱一の『月に秋草図屏風』が出るから
酒井抱一の「月に秋草図屏風」が展示されます(夏目漱石の美術世界展) - はろるど
で、見ました。あのね、これは完璧。パーフェクト。構図から何から素晴らしい。眼福。みにきた甲斐があった。金地に浮かぶ青く鈍く光る月、秋草の流れ…。ええもん見たわ…。会場は会期終盤でなかなか混雑してました。さて、次に、上野の森美術館

有栖川宮高松宮 ゆかりの名品』肖像画からはじまり、馬具に幟旗、親筆、身の回りの品、嫁入り道具に渡欧写真帖、会場のそこかしこに皇族の写真…2013年に斯様な展覧会があるのか!という、しばし唖然茫然という、すごい展覧会であった…。とはいえ、何から何まで御紋入りの豪華絢爛ディナーセット、雛飾り、旅行用化粧セットなどは、見事なもので一見の見もの。そして、会場の中で、篠山紀信撮影の金婚式写真が唯一不穏な空気を放ち…正装した皇族老夫妻の写真、妙にざらついた画質の写真は篠山紀信なアレやコレやを想起させるのでした。
上野広小路駅まで下り、日本橋乗り換えで竹橋へ。東京国立近代美術館『都市の無意識』を見る
http://www.momat.go.jp/Honkan/unconsciousness_of_the_city/
美術館リニューアル時にちょっと書いたことですが

2階の小企画展スペースとか、3階の奥だっけ?ミニ企画スペースとかが用途明確になっているので、展示の自由度が下がらないかなー、というのはやや心配。まあ、今後を見守る、ということで。
東京国立近代美術館『美術にぶるっ!』展がいろんな意味ですごい - 日毎に敵と懶惰に戦う

今回の『都市の無意識』は、その、2階のスペースを使った展覧会。リニューアル後は海外作品の展示スペースになっちゃうの?と心配していた、2階の空間を使った小企画が帰ってきた!ということを、まずは喜びたい。『アンダーグラウンド』『スカイライン』『パランプセント』3つの視点で、見過ごしがちな都市の風景に鋭く切り込む企画。
東京の下水道工事の様子を丹念に描いた岩波映画、1966年のカラー作品『東京もぐら作戦』がまずはお宝映像、25分間釘付け。畠山直哉渋谷川のコンクリート擁壁が作り出す強烈なコントラストの写真、奈良原一高の“生きている”軍艦島の写真など、アンダーグラウンドに見所満載。
一転してスカイラインは醒めた視線、大岩オスカールの大作“ガーデニング”2点はまるで腐海に飲み込まれたような都市、勝又公仁彦の写真連作は、広い広い空の下にポツリと、東京のスカイラインが静かに控えめに並んでいる。そしてパランプセント、猥雑にどんどん上塗りされていく都市の風景、佐伯祐三のガス灯と広告があったり、大学紛争に関するテキストや写真、高梨豊が撮るゴールデン街金村修の乱雑な都市風景…規模は大きくないけど、しっかりした好企画でした。
コレクション展のほうも。一枚、北蓮蔵『提督の最後』

ミッドウェー海戦、飛龍甲板上で別れの盃を交わす山口多聞や加来止男を描いたものなんだけれど、発表当時はミッドウェー海戦について正確に報道されておらず、みんな何を描いているかわからなかったとか。リニューアル後のこの美術館、戦争画の展示が毎回しっかりあるのがうれしい。そして日本画のコーナーに

徳岡神泉『赤松』と横山操『ウォール街』が並んでおり。近代日本画ではいちばん好きな2人かも…まあ、奥村土牛とかも好きなんですが。今回、日本画コーナーが、渋好みだけど良いもの多かったな。速水御舟の写生とかもあったし。それから、2階の現代の作品にも、高嶺格のゴッドブレスアメリカがあったり、草間彌生特集になっていたり。ああ、そうそう、ソニーの盛田さんの奥さん、森田良子さんのコレクションも良かった。国立近代美術館のコレクション展は、相変わらず毎度毎度、見所盛りだくさんだったのでした。
竹橋からまた東西線飯田橋ミヅマアートギャラリーで、宮永愛子 展『house』も見ましたよ。国立国際美術館の展覧会、良かったよね。固められて時を止められ、まどろむナフタリンたちがけなげで美しかったです。ほいでもってその後は

お刺身に、おにく!

海鮮のバター醤油、メンチカツ、そしてもんじゃを、13人で堪能したのでありました…。はうー、満足。デニーズに寄って、無事に帰宅いたしましたs
在華坊(@zaikabou)/2013年06月29日 - Twilog