天王寺のお宿で6時半起床、7時にあさごはん。500円で出てくるにしては豪華すぎる朝飯
宿を出て、8時には仕事先へ。昼に客先に移動したんですが、昼休みの時間を利用して、大阪市立東洋陶磁美術館へ
この美術館は、大阪市立美術館と並んで大阪の誇りとなる素晴らしいコレクションを誇る美術館なわけですが、嘉義に國立故宮博物院の南院がオープンするにあたり、そのコレクションを結構貸し出していたわけですね。んで、その返礼として、『世界一のやきもの』青磁無紋水仙盆が貸し出されたと。
宋代に汝窯で作られた青磁無紋水仙盆は、ほんとうにキラキラ輝いていて、それでいて透き通るように青い空の色であり。貫入が無く、どこまでも滑らか。貫入はあるけれどさらに美しい空色で輝いているものなど、台北からいっぺんに貸し出された4つ、そして大阪の1つの青磁水仙盆が、狭い空間にぎゅっと並んでいる。その様は、濃密で、本当に幸せそのもの。
別室には青磁水仙盆を日本の陶芸家島田幸一氏が再現した作品もあり(これは撮影可能)これもなかなか
台湾で再現されたものもあり
今回、乾隆帝が景徳鎮で作らせた、倣汝窯の青磁水仙盆も出品されているんだけれど、確かにそれはそれで良いものなんだけれど、なんか色味がのっぺりしている。汝窯の倣いとしてはどうなんだという感じで、乾隆帝もイマイチやなぁ、と嘆息していたらしい。島田さんが作ったのはかなり汝窯に近い出来と感じました。
特集展『宋磁の美』のほうも見たけれど、こちらに出ている個人蔵の、汝窯青磁の盞(茶碗)がまた凄い。世界では90点しかない汝窯青磁、日本では、今回出品されている大阪市立東洋陶磁美術館の青磁水仙盆と、川端康成旧蔵で東京国立博物館にあるものしかなかったんだけれど、3点目が最近見出されて、その初公開となるのが今回。
この写真では伝わらないその青色の深み、宝石のような引き込まれる輝きよ…。これでお茶か酒が飲みたい…。何千万か何億かするんだろうなあ。ほかに3点並ぶ盃もみんな欲しい、欲しい…。
ところで今、『川端康成旧蔵で東京国立博物館にあるもの』についても、東京で展示中。大阪の展覧会を見に行った直後に、見に行った。
汝窯青磁盤は、雨後天晴というにはやや緑がかった印象を受ける。今回、上海国立博物館との競演ということで、隣には上海国立美術館の青磁盤も展示中。2月26日まで見られます。
青磁水仙盆、青磁盞、そしてこの青磁盤と、日本にある汝窯青磁3点がすべて見られるわけですよ、今。まさに汝窯青磁祭であるな。
今回新発見となる青磁盞は、これまでの日本での2点と比べても、まったく引けを取らない。金継ぎしてあるものの、色の深みでは随一かもしれない。こういうものが見出されたあとだと、小林仁氏も「4点目の曜変天目」にモノ言いたくなる気持ちもよくわかる。
さて話を戻し。もちろん、平常展の高麗青磁も見まして。汝窯青磁と一緒に見る楽しさもまたある。とにかく、今回もとても幸せな、大阪市立東洋陶磁美術館なのでありました。3月26日まで、是非。いつもに比べて展覧会への力の入り方が違うけど、空いてることには変わりなく。頑張れ大阪市。以下はもう終わった展覧会ですが、ほんと、この2つの美術館は大阪の誇りですわ。
美術館を出て、駅の中の榎忠などの展示をちょっと覗いて
昼飯はコンビニおにぎりで済ませて客先へ。打ち合わせ。終了後、本日は日没ごろに伊丹から飛行機で帰る
そんな金曜日でありました。