日毎に敵と懶惰に戦う

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ユーロスペースで『台北ストーリー』を見る

日曜日、午前中はゆるゆるお茶して、昼飯を食ってから渋谷へ。ユーロスペースで『台北トーリー』を見る。8割以上は席が埋まっていたかな。

【公式】エドワード・ヤン監督作品 台北ストーリー

30年前の台北の風景を極めて丁寧に映し出しながら、アメリカと日本という2つの国への眼差しを基調に置きつつ、主人公2人と、そこに関わる人たちの人生と心の機敏を克明に描いていく。映像芸術としての映画らしさの魅力がたっぷり詰まった映画で、見て良かったな、と思った。

この監督の作品を見るのははじめてだったけど、余計な説明しようとしないのね。この登場人物は誰なのか、説明的なセリフは皆無。会話の中で徐々に理解させられたり、その会話シーンでも、ワザと音を消して目と仕草で語らせたり。とにかく映像に引き込まれる映画づくりで、久しぶりに映画らしい映画を見たぞ、という気分。

日本という国が、台北の街の中に現れる沢山の看板、カラオケ、具体的な行きたい場所の対象、実際に現れる日本人、そういう極めて具体的なイメージを持っているのに対して、アメリカはふんわりとした、まるで全てを解決してくれる特効薬のように、非常に漠然としたイメージで描かれる。その対比も面白い。

台北の街の風景も、単純に30年前の迪化街とかカフェバーとか集合住宅とか、そのものへの興味からも勿論興味深いんだけれど、住まいにしてもオフィスにしても「空き家」の状態が、ストーリーへの効果としても非常に上手に映し出されていて、当時の台北の街の空気感まで描き出してる。

日々の暮らしへの鬱屈、若者の閉塞、古いものと新しいもの、外国への憧憬、光と影、そういう、台湾の人々の暮らしの空気が見ているほうまで伝わってくる映画なのだった。

映画館から出て、渋谷から表参道へ。ほぼ日がやってる『TOBICHI②』で、川島小鳥の台南の写真展を見て

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白山陶器のお店を覗いて、横浜に戻り。野毛のはずれから見えるバラ色の空が美しい。看板は角海老だが

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浜とんの日曜日限定店舗に行き、ビールにマカロニサラダと冷製レバー。日本酒も、滋賀の太田酒造の影道灌、あの太田道灌の末裔だそうだけれど、それをいただいたり。 

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どて煮は、しろ、肉、つくね、うずら。これで500円だったり。ゆるゆる飲んで、帰宅したのだった

在華坊(@zaikabou)/2017年05月28日 - Twilog