東京国立近代美術館『窓展:窓をめぐるアートと建築の旅』を見る
日曜日、今日は朝からのんびり。昼飯も家で、貰い物のへぎ蕎麦をゆでて済ます。午後から出掛けて竹橋へ。
東京国立近代美術館『窓展:窓をめぐるアートと建築の旅』を見る
屋外に、藤本壮介の「House N」建築実物模型があり、目を惹く。目いっぱいの窓の家。そしてチケット売り場が行列している。建築展的な文脈で混んでいるのだろうか?
今回の展覧会、キービジュアルがマティスだったので、そのつもり…つまり、絵画が多いのだろうか、というつもりで来たのだった。そうしたら、いろんな意味で想定外。
小沢剛らのユニットの「西京人」とか、様々なインスタレーション、演劇的要素など、ごった煮に近い感覚で充実している。窓というテーマを起点にかなり無理矢理突っ込んだ感もあるが、しかし、とても楽しい展覧会なのは確かなのだ。
最近、現代アートが炎上する案件がいろいろと発生し、アート鑑賞において「コードとモード」の理解が必要か?という話も燃えてしまい、もう、日本で受け入れられるアート、チームラボに行きつくしかないのでは…みたいな話もあった。
しかし、この展覧会で見たものは、なんというかな、「チームラボではない、多くの人に訴求し得る、アートの魅力」の可能性が感じられるものだった。見て、遊んで、楽しいけれど、きちんと鑑賞して考えらることも求められる展覧会。その要素がうまいバランスで共存している。
写真、建築、映像、インスタレーション、演劇、作品は良いものが非常に多岐にわたっていて、解説もしっかりしている。
骨格がしっかりした上に遊びの要素も充実した展覧会と言えるのではないだろうか。誰でも楽しめる上に、考える要素もしっかりある展覧会。こういうのも増えて欲しいな、と思う。
コレクション展も、もちろん、大変良い。私は常々、近美は戦争記録画展をやるべきと言っているが、今回は第1室にアッツ島玉砕を持ってきたり、
第2回大東亜戦争美術展をテーマにあまり見たことなかった作品が並んでいたり、
やる気が感じられる。藤田嗣治の『天皇陛下伊勢の神宮に御親拝』についても、実物は無くなっているが、雑誌で紹介されている図像を見ることができて、良かった。戦争画についてはこのあたりもお読みください
そして、もう一つ、近美にやって欲しいのが山下菊二展。今回は2点の展示があった
それに加えて、あけぼの村物語が、当初、紙芝居として構想されていた時のスケッチがあったのは嬉しかった。
あと、岡本太郎と原子力ポスターを並べるとか、なかなか攻めてますよね
第10室を使って鏑木清方の「築地明石町」を見せてくれる企画も、空いててじっくり見られて良かったのだが、今後ある鏑木清方展の宣伝込みみたいな企画、ここだけで別料金を取るというのが少し違和感が。近美は学芸員各位がそれぞれ独立して何かやってる感がある。勝手な見立てですが。
時間が無くなってしまったので2階は駆け足で通り過ぎて、お堀端をぶらぶら歩いて九段下で別れて、自分は松屋へ。
松屋銀座の一澤信三郎帆布のイベント、思ったより、ずいぶん、大規模なのだった。こないだ京都行った時、あまり店舗に品物が無かったのは、このせいだろうか。品揃えは特段、変わったものはないけれど。資料展示なんかもあって良かったです。
有楽町から桜木町に向かい、2件ほどはしごして、帰宅したのでした