日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

池袋演芸場 八月上席 昼の部

さて。突然、久方ぶりに寄席に行きたくなる。番組なにやってるのかしらん?と調べてみたら、池袋の昼の部、小三治がトリではないですか。上野の川柳にも激しく惹かれるものがあったが、まあ、川柳は何時でも見られますので、今日は小三治にしておきましょう、と池袋に行くことにする。
池袋に着いたのが12時15分ごろ。昼の部の開演が12時30分。まだ早すぎるかしらん?と思いつつ、池袋演芸場の前に行ってみると『立見になります』の立看板に目を疑う。まじですか?だってあなた、いくら8月で小三治とは言え、平日の昼の部、まだ開演前ですぜ?しかも池袋。つばなれするのしないの、で大騒ぎしていた池袋が!俄かに信じられなかったが、木戸銭2500円也を払うと、確かに立見ですと言う。凄いわねー。噂には聞いていたが、落語ブームってのは実際にあったのね…
階段を下って、もぎってもらい、客席入ると、確かに満員。すでに立見の人が10人近くいる。そもそも、この池袋演芸場そのものが、補助席を入れても130人座れるかどうか?という狭さではあるわけで、その分、間近に噺家を見られることが利点の箱であるわけだけれど。ほいで、入り口入って奥の隅付近に居場所を確保し、以降4時間半、延々と立ち続けになるわけです…

柳家三之助金明竹
・花島世津子 奇術
柳家はん治『背名で負ってる唐獅子牡丹』?
古今亭志ん輔『もう半分』
ロケット団 漫才
柳家花緑ちりとてちん
柳家小里ん『夏どろ』
・柳貴家小雪 大神楽
・入船亭扇橋『つる』
仲入り
柳家福治『地獄めぐり』
・春風亭一朝『初天神
・林家二楽 紙切り
柳家小三治『馬の田楽』

番組が進むにつれて徐々にお客さんは多くなっていき、最終的には、立見客が50人以上はいただろうか。消防法的にちょっとまずいかもしれないなー、って所に片足突っ込みかねないレベルの客入り。高座の真ん前にしゃがんでいる人も数人。こんなに入ってる池袋演芸場を見たのは、2001年の4月、古今亭志ん朝が亡くなった年に、トリで火焔太鼓をやったとき以来だなあ(あの火焔太鼓は本当に素晴らしかった…)。
個別に少し。世津子、寄席芸人だなあ。はん治、お家芸ですねえ。志ん輔、このまま年取るのかなあ。花緑、食い物の描写がなんか好きです。小雪、太神楽の説明のお定まり感はまったく変わらんなあ。客先の小学生とのやりとりが面白かった。扇橋、噺に入るとき、おおぉ、大丈夫か?と一瞬不安になった。福治、ずいぶん突っ掛かってたがちゃんとネタ入っているのか?。一朝、福治で時間が押したのであっさりと。小三治、本日のマクラは海苔は焼いたら美味い、扇子は2本持ってきている、以上2本でした。寄席で見ると、馬の田楽を良く見るように思う。田舎者ののんびり具合がカオスの域に達していて、危ない一線を越えそうだった。
総じて、久しぶりの寄席、大変満足いたしました。また時々来よう。客先も、老若男女、満遍なく入っているようで、大変に結構です。しかし、4時間半、ほぼ直立不動はつらかったよ…。足が棒になった。
帰り、六本木に少々寄り道し、自宅近所の酒屋にも寄ってから帰宅する。