日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

天海祐希がいい

十六茶のCM、天海祐希が「海なんて久しぶりねー」「唄うのよっ!」ってのが素敵。見ないとなんだか解らないと思いますが。それにしても、天海祐希って何時からああいう、エキセントリックというか、不思議な役回りになったんでしょうな。弁護士→先生の流れのうちにそうなったのか。
http://www.asahiinryo.co.jp/16cha/cm_1.html
あれ、CMコーナーの「Coming Soon」に、この「海」篇の情報が無いみたいだが、何故だろう。

東京ステーションギャラリー『前川國男建築展』

5時過ぎに目が覚めて、面倒なのでお茶などすすって過ごす。9時過ぎに出かけて、綱島、中目黒、霞ヶ関経由で東京駅。おお、玄関から50分で到着、早い。
実は東京ステーションギャラリーはこれが始めてで、しかも、これから東京駅は辰野金吾による建築当時の姿に戻すことになるので、この展覧会を最後にギャラリーもホテルしばらくお休みである。

前川國男と言うと、一番印象に残っているのは江戸東京たてもの園にある自宅で、採光の良いモダンな作りに感心したものだが、今回の展覧会はそれも含めて生涯の作品が紹介されており、非常にボリュームが多い。
そして、店舗、集合住宅、公共建築、高層ビル、万博のパビリオンと、その時その時で常に主導的な役割を果たした人なのだな、というのが良くわかる。
目立つのが公共建築で、所謂、地方で作られた箱物の作品も数多い。神奈川県立図書館、東京文化会館など、普段観察していると外観が割合威圧的で、中は広々とした空間がひろがっている…という印象があるのだが、模型を上から眺めてみると、概観もなかなか素敵。ちょっと印象が変わった。
そして、あれも、これも、と良く知っている、良く利用している建物の多いこと。私が建築物に興味を持つのは、都市生活者の世帯風俗とか街歩きとかと『街』、引いては建物の関わり、という部分が大きかったりする。だから、モダニズムの先駆者である前川國男の作品の数々は非常に興味深かった。
ただ…作品一覧を見ると「国立国会図書館」があり、設計に関わっている期間が非常に長いのだが、今回はまったく紹介されていなかった。本人的に失敗作だったのだろうか。
展覧会は明日までというのもあってか、開館直後の時間なのに非常に人が多いのが印象的でした。
外に出て…新丸ビルの工事もだいぶん進んだのう。

ステーションホテルの中をぶらぶら散歩して、銀座方面へ。UCのサービスセンターでプリペイドカードを購入。バスカードオレンジカードが在庫限りらしい。
再び有楽町に戻り、東京国際フォーラムの「レバンテ」に初めて入る。生牡蠣にも惹かれたが、流石に昼間から生牡蠣にビールでもあるまい、と思い直し、名物カキフライの定食。パンがコッペパンみたいだった。カキフライはカリカリした揚げ具合がとても美味いが、急いで食べて口の中を火傷。隣に座った夫婦が生牡蠣を食べ始めたので、目の毒になるからさっさと出る。1400円也。
京葉線のホームに下りて、新木場経由で国際展示場まで。京葉線の車内で、白人男性に「この電車は新浦安に止まりますかね?」と聞いているおっさんは漢だと思った。

パナソニックセンター『12時間美術館』

駅前のパナソニックセンターに入り、展示物を眺めつつ、今回の『12時間美術館』の会場へ。今日明日の12時間だけ開催される美術館…ということだったが、んーと、展示物はちょっと企画倒れかな、の感、無きにしも非ず。会田誠のポスターが貰えたけど。
で、目当ては「公開質問 誰のための展覧会?」である。越後妻有トリエンナーレの北川フラム氏と、芸大の助教授でweb上の美術企画もしている毛利嘉孝氏を交えてみんなで考えよう、という企画だったのであるが、北川フラム氏の独演会の趣になった。
まず毛利氏が「現代美術は70年代で死んだ」と口火を切るところから始まる。
二人の意見にはいろいろと対立点もあったのだが、共通しているのは「そもそも美術なんて金にならないんだから、美術館という箱を作ってしまって、お金の流通が見込めないと成り立たないシステムを作った時点で大失敗」という、かなり過激なものである。
んで、話は指定管理者制度に及び、北川氏は、学芸員とかがチマチマ反対してもどうしようもないんだから、どうせなら管理者になる企業に入り込んで好き放題やったほうがいい、と言っていて、やるならチマチマやらずに倒閣運動くらい…なんて言っていた。
ちなみに、会場の聴衆は美大の学生…というよりも、博物館学を学んでいて学芸員やキュレータを目指している人が多いらしく、北川フラムはそれを意識してかなり煽り気味、挑発気味に発言していたようだった。学芸員なんかなんにも考えていない、と言ったり、art manegemnetなんて発想をするな、と言ったり*1。後から質問した学生にも、相当煽って挑発してたし。内容は…ネットに書くと2chで叩かれそうなリベラルな話なので止めますが。

妻有の話になったときに、北川氏が、集落と言うコミュニティに密着して美術を生み出す、みたいな話をしたのに対して、毛利氏がコミュニティってのは排除の論理だから密着にはあまり賛同できないって話をしていた。で、それに対する反論というわけではないのだが、北川氏が「美術で村おこしという話をしたときに、議会の100人が100人反対した。でもそれが当たり前で、それでいいんです。反対されることで対話が生まれてみんなが考える」という話をしていて…。ああ、妻有でやったこともその摩擦なのだな、と思うと同時に、現代美術ってのは結局、平穏無事に暮らしている人達に「石を投げて波紋を広げる」ことなのだな、と思った。
美術の人はキチガイみたいなことをやって、社会生活に波紋を広げる。広げられて一般人はいろいろ考える。だけど、受け取る側も馬鹿ではないから、社会生活を送る側もそのうち「はいはいクマクマ」と適当にやり過ごすようになる。そうなったら美術の人の負けだ。いろんな方法を作って、人の心に無理やりさざなみを立たせるような方法を考える…ああ、美術の役割ってのはそういうものなのかしらん。今日の話にしても、そうやって無理やりさざなみを起こすために挑発してるようであった。

*1:というか、美術で飯を食えるスターキュレータなんて一部なんだから、そんなの目指しても無駄、という。

都内ぶらぶら

それから、りんかい線に乗って天王洲アイルまで。ぶらぶら歩く。途中、船宿があったり。

東海道を渡って、御殿山方面へ。ミャンマー大使館前でスーチーさんの解放運動をしている団体に遭遇しつつ。原美術館。入ろうかと思ったが、あんまり混雑しているのでスルー。五反田までとぼとぼと歩く。目黒川沿いにも沢山のマンションが。

五反田から山手線で恵比寿。代官山まで歩いてヒルサイドテラスを覗き、中目黒の図書館で何冊か借りて、スーパーに入る。
ゴルゴンゾーラのチーズを買いつつ、キャンベルのスープが目に留まり、そういうえば食ったことがなかったな、と購入。それからカルディでザワークラウトを購入。帰宅後、ワインを飲む。