日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

阿佐ヶ谷住宅行って来た

7時起床。朝、起き掛けにメールを見たら、マイミクさんから『だまされたと思って行ってみて下さい』とあったので、行かないわけにはいきません。というわけで、新宿から丸の内線で南阿佐ヶ谷へ。武蔵野の面影が残る町並みを通り過ぎて、阿佐ヶ谷住宅へ。
http://www.totan-gallery.com/
上記サイトによれば、

阿佐ヶ谷住宅は、1958年竣工と同時に入居が始まった全戸数350世帯の分譲型集合住宅です。2007年春に取り壊され再開発される予定。団地は中層棟、テラスハウスから構成される。全他の計画は旧・日本住宅公団(現・都市再生機構)、テラスハウスは建築家・前川國男の設計によるもの。

であるとのこと。その取り壊しを間近にした阿佐ヶ谷住宅の一室がギャラリーになっているのです。今年の4月までの期間限定で、実際にテラスハウスに住みながら、ギャラリーを開いているのでした。

それぞれのアーティストが2週間単位で作品を発表しているのだけれど、この日の淺井裕介は、取手アートプロジェクトとかBankARTとかにも出展している人で、壁一面に貼られ、壁を覆うテープの刺繍が、古い公団住宅の一室と親和していた。
さて、ギャラリーの中も面白いのだけれど、さらに面白いのが住宅の中を歩くことである。『のらミュージアム』と称して、住宅のあちこちに作品がこっそりと置かれているというので、ガイドマップを借りて歩いてみる。



取り壊し間近の阿佐ヶ谷住宅は、半分以上の部屋が空き部屋になっていて、板が打ち付けられている建物が目立つ。忘れられようとしている集合住宅。


そんななかに、ぽつねんと、静かに、作品が置かれているのを愛でるもまた楽し、なのであった。



空き家だと思った家に、実はまだ人が住んでいたりして、びっくりしたりもするのだけれど。
ギャラリーの戻って、暖かいお茶を一杯貰い、ぽかぽかと暖かいテラスの軒先でのんびり過ごすと、ここはどこの別天地だろうか、とのんびり幸せな気分になるのだった。ポストカードを買った。
阿佐ヶ谷住宅に住んでいて、のら美術館にも場所を貸している方の記事が。写真が沢山で楽しい。
http://d.hatena.ne.jp/riverpage/20070212#1171274884

無為に有為に

阿佐ヶ谷まで歩いて、中野経由で高田馬場へ。学生時代の知り合い(というか、お世話になっている大先輩)と遅い新年会、と称して遊ぶ。まずはうなぎやで、昼からビール飲みつつ、きも焼、そしてうな重。んー、相変わらず美味い。さてどうしましょう、新宿に出来たドーナツ屋に行こうではありませんか、と電車に乗って行ってみたが、予想通りの大混雑で、悪態をついて立ち去る。
ほいで、国立新美術館に行って、黒川紀章の写真を見て笑おうではありませんか、と衆議一決して大江戸線に乗り、しかし途中で気が変わって蕎麦が食いたくなり、麻布十番へ。そして温泉を見たら温泉に入りたくなったので(三歩歩くと、考えていたことを忘れるのであった)、麻布十番温泉で、狭い浴槽に浸かり、広間で湯上り生ビール、良い気持ちになってうつらうつら。ああ、幸せ。幸せなのだけれども、近くに座っていた男が、女に、噴飯モノの理屈で江戸っ子のなんたるかをとうとうと語っており、萎える。そして風呂上りの酒手をせびっているのを見て、さらに萎える。くらたまの『だめんず・うぉ〜か〜』的物件とのリアルな遭遇。
風呂上りに更科堀井でせいろ一枚、TSUTAYAでコーヒーを飲み、ぶらぶら歩きつつ、六本木へ。コールドストーンクリーマリーで歌いながら働くお姉さんたちを見て、まるで奴隷船のようですねとその光景は涙を誘う。六本木から代々木、高田馬場へ。カラオケに行って、軍歌、戦時歌謡、労働歌、小林旭クレイジーキャッツコミックソング全般、三波春夫美空ひばりといったところ、結局、平成の歌は一曲も歌わず、3人で40曲あまりを歌い上げたのであった。
某氏の庵にてバーボンを一杯、不思議なアパートで、つげ義春的な上部構造を持っているのであった。なんだ上部構造って。電車が無くなるので辞して、よたよたと帰宅する。無為有為な素敵な一日だった。