日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

高層マンションに華を添える一篇のポエム

山手線の内側に、まだこんなにも閑静なロケーションが残っていた。
東京をよく知る大人ほど羽根を休める心地よい空間を知っている。
ここでの暮らしは、どこかニューヨークのそれに似ている。

これは御殿山タワーマンションというところの惹句なのだが、ねえ、ちょっとすごいですよね。他にもこういうのが目白押し。

「広尾」駅徒歩1分に“駅前迎賓邸宅構想”始動
港区南麻布に新たなステータスの象徴を描く−

世界が憧れる日本の住まい
港区・南青山7丁目。受け継がれる風格の地に誕生

広尾駅徒歩8分。躍動と静寂を身近にした地に
かけがえのない時を刻む、本質を極めた住空間

港区白金4丁目。すれちがう人もなぜか恭しい
喧騒を遠くにした、緑深き高台の系譜に住まう

見ていくと、住所そのものや駅名をアピールした文言が目立つ。その土地の名前そのもののブランドイメージを訴求しているのがよくわかる。ワタシも「住みたい住所というと麻布狸穴町とか神田乗物町とか…」と非常にミーハーなので、人のことは哂えないが。これなんかもっと露骨。

窓辺を彩る護国寺の杜。ここは「文京区音羽二丁目」
駅徒歩1分に、アドレスを誇りたい街がある

港区台場を名乗るごく狭いエリアから、初の分譲プロジェクト
空とビーチ、そして日常を手に入れる33階建てツインタワー

もっとどんどん紹介したいのだが、全部面白くてキリが無いのでこれくらいにしておく。あとは自分で見てください。そもそもこれは誰が考えているのか。ディベロッパーなのか、RECRUITの担当者なのか。そういうことを考えていくと思い出すのは、昔のエロ本で写真の脇についていた訳のわからないポエムのようなもので、なるほど、意味としては同じようなものなのかもしれない。見る人の脳内を刺激して、素敵生活をイメージさせて買わせようとしている。
そうやってがむしゃらな消費性向の人たちによって経済が順調にまわるならば、それはそれでいいことであるなあ、と、とりあえずまた、愚にもつかない感想で〆たいと思う。