日毎に敵と懶惰に戦う

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RECRUITの「都心に住む」を読む。

二ヶ月に一度のお楽しみ、RECRUITの住宅情報別冊「都心に住む」を買ってきた。この雑誌は、都心部の千代田・中央・港・文京・渋谷・新宿・品川と、目黒・世田谷・江東の一部、およびその周縁の新築マンションを扱った住宅情報誌。中古マンションの情報もあるのだが、「麻布霞町パークマンション2億3980万円」とか「ドムス元麻布1億3500万円」とか「青山パークタワー3億3900万円」とか、常軌を逸した値段がぞろぞろ並んでいるので目の保養くらいにしかならない。
さて、都心部の住宅情報であるので、「こんなにお安く」「こんなに広く」というアピールをするわけにもいかない。掲載数と情報量で稼ぐには範囲が狭すぎる。もちろん、そのマンションの「イメージ」「住みやすさ」の訴求、「間取り紹介」も主要部分ではあるが、それだけでは特色が出ない。
結果どうなるかというと、「都心に住むということはこんなに便利」「都心に住むとはどういうことか」「歴史的な場所に住む贅沢」というイメージやライフスタイルを訴求していくことになるわけで、紙面づくりは物件紹介にとどまらず、ライフスタイル提唱的な様相を呈する。
巻頭からして井坂聡川原亜矢子の対談*1。続いて、見るからに勝ち組な人たちやクリエイティブなお仕事の人たちの素敵都心ライフの紹介。それから、毎号ワンテーマを決めて結構読み応えのある特集記事(ちょっとCasaブルータスっぽい)。今号に至ってはものすごく分厚い綴じ込み別冊付録までついていて、「ほーら、あなたも湾岸部に住みたくなったでしょ?」とやっている。谷川俊太郎の詩まで載っている贅沢。
巨大建築スキー、都心部スキーなワタシにとってみれば、都心部の綺麗な写真が一杯載っていて、超高層マンションの新築情報があって、さらに内装や間取りなどマンション建築の最新トレンドのようなものが垣間見えて、特集もなかなか読み応えがあるので楽しみに買っているのだが、本気でこれを読んでマンションを買おうとしている人にとっては、自分を奮い立たせるための材料にもなるのかもしれない。
要するにあれだ、六本木ヒルズに行ってアッパーな暮らしを垣間見て、俺もいつかはああなるんだと仕事に燃えるとか、そういう効用があるのかも。なにしろ、ステータス感を出そうとして、マンションのキャッチコピーがものすごいことになっている。

*1:毎号、映画監督or作家×女優の対談になっている。石田衣良×永作博美とか是枝裕和×小泉今日子とか町田康×麻生久美子とか