長篇歌謡浪曲全曲集
三波春夫の歌謡浪曲。もともと三波春夫は浪曲師から歌手に転向した人で、村田英雄もそうだった。紅白で「俵星玄蕃」をはじめて聞いたとき、頭をぶん殴られるような衝撃と感動を覚えた。朗々として底抜けに明るい声、魅力的な節回し、コミカルな語り。こういうのを本物の芸人と言うのだ。電車の中で聞くのはとっても危険。絶対口ずさむので。特に「雪を蹴立ててサク、サク、サクサクサクサク…先生!おぉ、蕎麦屋かぁ!」の箇所とか。
ちなみに、自分の中で崇拝対象になっている「芸人として歌手」は、三波春夫と中島みゆきと美輪明宏と都はるみです。村田英雄は、もうちょっと浪曲師としての素養を出してくれていたらなあ、と思う。上野文庫の中川さんに聴かせてもらった、浪曲師のころの村田英雄は素晴らしかった。