日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

Comic Baton

http://d.hatena.ne.jp/hisamura75/20050630/p3より

Total volume of comic on my Bookshelf(本棚に入ってる漫画単行本の冊数)

本棚、床置、合わせて、自分の部屋にある単行本は、300〜400冊くらいか。定期的にブックオフに処分に行ってはいるし、最近はあまり買わないようにはしているのですが。

Comic thought to be interesting now(今面白い漫画)

漫画雑誌は読まない、買わない、単行本になったら買うことにしているので。最近の連載物で、単行本を必ず購入しているのは、『げんしけん』と『ヘルシング』と『ぼのぼの』くらいかな。

The last comic I bought (最後に買った漫画)

げんしけん(6) (アフタヌーンKC)

げんしけん(6) (アフタヌーンKC)

なぜか出張先の、名古屋の三省堂で購入、新幹線の中で読了。妹も喜んで読んでおります。ところで妹(22)よ、君の本棚に『I"s』や『いちご100%』が揃っていたり、『ときメモ』や『同級生2』をやっていることを兄さんは知っているわけだが‥。

Five comic I read to a lot, or that mean a lot to me (よく読む、または特別な思い入れのある5つの漫画)

火の鳥風の谷のナウシカは金字塔だと思うが、個人的な思い入れという意味ではそれほど強くない。しかし、6つになってしまった。

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)

結局はここに帰る、というか、すべての原点。自分の興味のすべての出発点は、それが科学にしろ政治にしろ経済にしろ、あるいは落語にしろ、ドラえもんにあるかもしれない。漫画表現として優れているのはもちろんだし、きわめて面白いし、啓蒙と諧謔に溢れているが説教臭くない。生涯最高の漫画。
ぼのぼの 1 (バンブー・コミックス)

ぼのぼの 1 (バンブー・コミックス)

小学生の時、家に遊びに来た友人が持ってきた『ぼのぼの』の4巻で、抱腹絶倒、身を捩って笑い、私は笑い死ぬかと思った。そして、当のコミックを持ってきた友人に「何がそんなに面白いのか」と奇異の目で見られた。
生涯であんなに笑ったのは、漫画では後述する『B型平次捕物帖』と『近未来馬鹿』。落語だと、末広亭で初めて見た三遊亭圓歌の「中沢家の人々」、フジテレビの落語のピンでの春風亭昇太の「看板のピン」、TBSの落語特選会での桂枝雀の「寝床」、浅草演芸ホールでの柳家小三治の「粗忽長屋」、談志ひとり会ビデオの「居残り佐平次」か。(話が脱線してきたが‥)
4巻において語られるぼのぼのの父親の人生と諦観、8巻あたりのスナドリネコとヒグマを巡る物語、10巻あたりのアライグマの夫婦の葛藤。そのあたりに痺れた。いがらしみきおでは、これ以外に「のぼるくんたち」という傑作もある。もちろん初期のギャグ漫画も好きだ。中学校に入ったときに、所属した「物理部無線班」というところで読んで、以降、自分の学生生活のバイブルに。文系サークルの理想は、すべてここに帰するような気がする。多くの人が指摘していることだが、『げんしけん』へと引き継がれる系譜か。
「協力・海上保安庁」とか「杉野はいずこ」とか、この系統のギャグは生活の中で良く使うわけで、会話の中におけるギャグの配置の仕方、仲間内での会話の作法のようなものは、完全に「あーる」が基礎になっているように思う。ルーティーンギャグの金字塔。「親分てーへんだ!」「どうしたハチ」「越後屋に押し込み強盗で一家皆殺しですぜ」「なんだと、許せねえ!」「行ってくるぜ、おしず」「おまえさん!」カチカチ(火打石の音)
これだけの内容を徹底して変奏に変奏させてナンセンスというかルーティーンというか意味不明の領域へ。これも読んでいて死ぬかと思うほど笑った。『地底人』も類まれな傑作であることは疑う余地がない。けど、私はこっちが好き。
近未来馬鹿

近未来馬鹿

唐沢商会唐沢なをきから何を持ってくるのかは非常に悩むところで、落語を題材に取った『ぞろぞろ』も良いし、『電脳なをさん』もよい。だけど、唐沢商会(なをき)のその唐沢商会(なをき)たる所以の濃厚なエキスという意味、および、「大塚署長自身の事件」で生涯何度目かの「死ぬかと思うほど」笑う体験に措いて、これを押す。「鋼鉄人間28号」「原子馬鹿襲来」も含めて、メタ構成の鮮やかさと馬鹿馬鹿しさに痺れる。
まあじゃんほうろうき (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

まあじゃんほうろうき (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

西原理恵子も、どれにするか悩むところ。もちろん『ぼくんち』も素晴らしいし、同様の系譜としては『恨ミシュラン』の先鋭化された言語感覚も大層素晴らしいのだが、やっぱり芸風の原点といいことでこれ。一つの漫画の中で芸風が確立されていくダイナミズム。西原は、芸人にして詩人です。