http://www5a.biglobe.ne.jp/~hhhp/sex/sex.htm
理屈から言うと、女系の場合、特定の染色体が継承されているとは言えないのですね。男系で、Y染色体だから、特定のY染色体が継承される、とはっきり言えるわけです。理屈上は。
男性のY染色体は必ずその子供である男性に引き継がれ、さらに孫である男性にも必ず引き継がれます。また、男性のX染色体は、その子供である女性には必ず引き継がれます。（その代わり、2代前のX染色体は引き継がれていません。つまり、愛子様は、今上天皇のX染色体は引き継いでいません）
女性のX染色体は、2つあるうちのどちらかはその子供である男女、いずれにも引き継がれます。しかし、さらに孫には、引き継がれない可能性があります。
『男系の場合』
一代目
男天皇(X1,Y1)+女(X2,X3)→女(X1,X2) 女(X1,X3) 男(Y1,X2) 男(Y1,X3)
二代目
男天皇(Y1,X2)+女(X4,X5)→男(Y1,X4) 男(Y1,X5) 女(X2,X4) 女(X2,X5)
男天皇(Y1,X3)+女(X4,X5)→男(Y1,X5) 男(Y1,X6) 女(X2,X4) 女(X2,X5)
『男系、女系を容認、女性天皇の場合』
一代目
女天皇(X1,X2)+男(X3,Y1)→女(X1,X3) 女(X2,X3) 男(X1,Y1) 男(X2,Y1)
二代目
女天皇(X1,X3)+男(X4,Y2)→女(X3,X4) 男(X4,Y2) だと、断絶
女天皇(X2,X3)+男(X4,Y2)→女(X3,X4) 男(X4,Y2) だと、断絶
男天皇(X1,Y1)+女(X5,X6)→男(Y1,X5) 男(Y1,X6) だと、断絶
男天皇(X2,Y1)+女(X5,X6)→男(Y1,X5) 男(Y1,X6) だと、断絶
だから、理屈上、今の天皇も皇太子も、神武…はともかく、応神天皇あたりと同じY染色体をもっていることになっている。継体は実際のところどうなの、とかそういう議論はしませんよ。面倒だから。本当に継続性があるのか怪しいところは何個所もあるし。
本気で男女平等とか人権とか民主主義とか言い出すと、そもそも世襲性の天皇性なんて…という話になる。だから、今の、国民的議論（マスコミが良く国民的議論とかいいますが、この問題こそ、国民的議論ってやつが必要だと思います。）も無しに、ともかく安直に女系容認、というのには反対です。ゆっくり議論したうえで、天皇いらないね、だったらそれはそれで構わないとは思います。
追記：
「じゃあ、そのY染色体って本当に正確に継承されているの？」というのも議論のあるところだと思うので、これ以上の追求はやめておきます。変わりに、JANJANの関連記事を引いておきます。こういう見方もあるよ、という。
http://www.janjan.jp/government/0511/0511255576/1.php
さらに追記：
http://www.hosp.u-ryukyu.ac.jp/labo/kyouju/h161012.html
女系だとミトコンドリアは必ず引き継がれる、ちゅうことのようで。
Y染色体かミトコンドリアか、とにかく生物学的な正統性を主張する場合、男系か女系かいずれかを維持し続けないといけないのですね。だから、「今まで男系でY染色体を維持し続けるのだから、今後もY染色体を維持しよう」という主張の検証はひとまず置くとして、一つの視点ではあるだろう、と。IFの話として「今まで女系でミトコンドリアを維持し続けたのだから、今後もミトコンドリアを維持しよう」と同次元の話で。
