原美術館を出て、品川駅まで歩く。東海道線の人となって、東京駅。皇居東御苑に向かう途中、丸の内オアゾの丸善で、名物ハヤシライスの昼飯。なるほど美味しいが、ちょっと甘すぎじゃねえかな。近くに座っていた人、大学の先生らしき老人と初老の女性が、「アセトン固定が…」「やはりホルマリン…」「酸性に傾いたら諦めて…」などという話を実に楽しそうにしていた。標本でも作るのだろうか。
食後、皇居東御苑内にある三の丸尚蔵館で、伊藤若冲の「動植綵絵」の展示、第三期を見る。今回は割合地味な作品が多かったが、「秋塘群雀図」の雀が群れ飛ぶ姿などまったく見事なものであるし、紫陽花双鶏図の鮮やかさ絢爛さ、老松白鶏図の見事な表現、芦鵞図の大胆な構図など、相変わらず必見の作品なのであった。
