日毎に敵と懶惰に戦う

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『民衆が語る中国激動の時代①紅衛兵誕生へ』NHK BS-1

毛語録、紅衛兵、壁新聞、造反有理、四旧打破、紅五類、黒五類、大躍進、人民公社、反動勢力…いや、もう、共産趣味者としては、萌えキーワード満載で素晴らしい番組でございました。
文化大革命当時を体験した人達が、当時を振り返って語る、という番組で、紅衛兵として活躍した人達は、まるで団塊の世代が『俺も昔はワルで…』と懐かしむような口調で、罪悪感のもあまり無い様子で、略奪暴行の様を嬉々として語っている。一方で、黒五類に分類された地主の人達が、苦悩の当時を語る。
壁新聞の前でみんなで議論した、とか、毛沢東と握手した人が大勢から握手を求められた、とか、文化財を破壊から守るために毛語録を貼り付けた、とか、イタリアの靴を履いていたので反革命的だと暴行した、とか、鉄作りに男がみんな借り出されて田畑が荒廃した、とか、収穫を水増し報告したとか、しょーもない当時の実態を語る皆さんの言葉は、ああ、検閲が入っているんだろうな、とは推察されつつも、生々しくて実に面白い。
今日は大躍進の失敗、劉少奇訒小平の台頭、危機感を抱いた毛沢東の巻き返し…文化大革命まで。学校内で教師や校長が暴行される様、家族が崩壊していく様が赤裸々に語られる。日本語の通訳をしていた父親の写真を紅衛兵に渡し、『革命の衝撃にかられ、家族と一線を画するために』母を告発する息子の話は物悲しい。そして、紅衛兵同士の足の引っ張り合い。
そしてやがて、批判の矛先は権力の中枢へと。次章、造反有理の嵐。これはね、必見です。是非見なさい!