日毎に敵と懶惰に戦う

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縮小する都市に未来はあるか?

秋葉原UDX2F、AKIBA_SQUAREで今日から開催される、シュリンキング・シティ×ファイバーシティ@アキハバラを見物。ベルリンから巡回してきた、都市部の縮小問題を考える展覧会と、東京を『賢く縮小』させるための未来像の提示。
http://www.sfa-exhibition.com/
東京大学の21世紀CEOでやっている『都市空間の持続再生学の創出』も関わっているのかな。
http://csur.t.u-tokyo.ac.jp/index-j.html
産業構造の変化、政治状況の激変、都市の郊外への拡がりなど、様々な理由により、先進国の多くの都市が縮小し、中心部が衰退している。そんないくつかの都市の姿を捉えた展示が、ベルリンから来ているもの。パネル展示ではそれぞれの理由で縮小している現況の解説、映像のほうでは、シャッター通りになった函館の現状、人が減り打ち棄てられた建物が多く並ぶデトロイトライプチヒ…など。
都市の衰退と言うと、どうしても『モヒカンシティ』的なもの、治安の悪化して犯罪が横行し…的なものを思い浮かべてしまうのだが、この展示でも『学問では都市の縮小は不可視化されてきたが、多くのフィクションではイメージが提示されてきた…』として、そんな『映画の中で描かれた衰退する都市』の映像を繋ぎ合せたものが、流されていた。ロボコップをはじめとして、まさに治安が悪化し、犯罪が横行し…というイメージばかりが延々と流されていた。イメージに訴えすぎているけれども、なかなか面白い映像ではあった。
『ファイバーシティ』のほうは、人工縮小する東京をより住みやすく…という、都市の理想的なリノベーションを提示すると言うよくあるヤツなのであったが、首都高を壊さずにそのまま活用しよう、という話が興味深かった。首都高…特に日本橋に関しては、一方で新たな土木利権としての地下化があり、他方では理念的な『無くす必要は無い』という一派もあるわけだが、学問領域においても、あれを残した上でリノベーション、という一派がきちんとあるのだろうか。
パネル展示の他に、毎週末にトーク・インイベントをやっている。2月3日は東京R不動産の馬場正尊さんが出て『郊外の現在。そしてプラグマティックな手法論』。ゲストが下流社会三浦展氏とみかんぐみの竹内昌義氏ということなので、なんだか面白そうである。
http://www.sfa-exhibition.com/cgi-bin/blog/
また、これに関連…しているのかはよくわからないけれども、ボートピープルアソシエーションのプロジェクトが面白そう。ここの団体は、東京の運河を船で巡ったりしている人達で、横浜トリエンナーレでも船を出していた。
http://boatpeople.inter-c.org/

東京湾内に多数残るバージ船を、新しい形の「防災船」へ転用する構想です。この船は、水上に浮かぶ小規模自律分散型エネルギーシステムであり、陸上の巨大なライフラインと交通システムが一時的な機能停止に陥った際、短期的に電力や食料などのファーストエイドを行うとともに、帰宅困難者の水上輸送や情報拠点となる、水辺のエマージェンシー・プラットフォームです。2007年2月23日〜3月21日、品川区大井でコンセプトモデルの一般公開を行います

ということだそうなので、興味のある方は行かれるヨロシ。「エマージェンシー・ミュージアム」展として、六本木クロッシングにも出ていたポル・マロの作品展示もするようだ(こちらは、3月3日〜21日、平日は要予約)