日毎に敵と懶惰に戦う

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日本科学未来館『地下展』

6時起き。家を出たのは13時。りんかい線東京テレポートに出て、歩いて(今日も暑い…)日本科学未来館に行く。
お目当ては、今日からはじまった『地下展』
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/sp/underground/
“地下”をテーマにした、とても大規模な展覧会。会場のデザインをトラフ建築設計事務所が手がけただけあって、とてもスタイリッシュな空間に仕上がっている。まず現れる発泡スチロールで作られた大きな壁。地下街、地下鉄、日比谷共同溝、首都圏外郭放水路などの都市地下利用の映像が投影され、地下空間を旅するための心がまえが過去の文献からひも解かれ、壁の向こうには、もう、広大な地下空間が拡がっている。
会場を構成する素材は発泡スチロール。複雑に入り組んで配置された発泡スチロールの間を抜けながら、地下空間を探検するような気持ちで、展示を見ていく。万博の時に埋めたタイムカプセル、北極での種子保存庫プロジェクト、鉱山の開発、放射性廃棄物の処理、氷床コア、南極の地底(氷底)湖…など、などなどなど、“地下”でひとくくりにされた、かなり各種雑多なテーマ毎に、最新の研究内容を踏まえた詳しい解説が。じっくり見ると面白い。子供にはちと難しいかな…
地球ダイナモについての最新の研究成果とか、巨大隕石の衝突と生物の絶滅とか、スノーボールアースとか、興味深い話を、きっちり作りこんだ展示物、映像で見せてくれるので、わくわくすること請け合い。スタッフによる地球ダイナモの説明、とてもわかりやすくてgoodでした。
ちょっと気になったこと。会場の照明が若干暗い。展示のキャプションが読めない。自分はなんとか読めるけど、あれは読めない人がたくさんいると思う。今日は展示初日なのだけれど、係りの人が、針金の先にボタン電池発光ダイオードを括り付けた手元照明を大量に抱えて、会場内を奔走していた。昨日の内覧会とかで、誰かが指摘したのかな…。そのおかげで、なんとか読めるようになっていたけれど…。いっそのこと、地下空間の探検気分を盛り上げるために、懐中電灯でも持たせてみてはどうか。
あと、全体、見易さよりも、展示空間のカッコイイ構成にがんばっちゃったかな、という感じはあるかなあ。まあ、面白いからいいですけれども。
常設展示のほうも見る。地球深部探査船『ちきゅう』とか、最新の話に沿って、展示はその都度、きっちり再構成されてるみたいですね。技術者・研究者の心意気を聞かせるぜ、って意思が感じられる展示が多いのは良いと思うです。そうそう、ここにおいてあるインターネット物理モデル、大好きなんですよね、あれ。
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0710/miraican.htm
2005年にリニューアルされたそうで、その際に、デザイナーの東泉一郎さんが語ったこの物理モデルについての思いが、日本科学未来館の機関誌『Mesci magazine』の10号『計算のロマン!おはじきから量子コンピュータまで』に掲載されていた。それ以外にも楽しい話題満載だったので、これを購入。500円なり。



その後、日本科学未来館を出て、無料のバスがちょうどやってきたでこれに乗り込む。東京テレポートの駅を過ぎて、台場の駅まで。ゆりかもめに乗って新橋、バスで六本木。しばらく本など読んで。それからご飯を食べて、帰宅したのだった。