東神奈川駅のホームから見える大きな看板
縦3m×横4mの大きな駅貼りポスター。
彼女に会うには横浜で、
「プーシキン」を探してください。
とあってなんじゃな?という感じですが、首都圏在住で電車通勤している人だと、あ、なんかこの絵見たな、と思う人が多いんじゃないだろうか。実はこれ、4月2日から横浜美術館ではじまる『プーシキン美術館展』のポスターなんですね。
「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」
会期:2011年4月2日(土)〜6月26日(日)
会場:横浜美術館
http://www.asahi.com/pushkin2011/
今年の横浜美術館は、先日はじまった、待ちに待った高嶺格の個展
横浜美術館 高嶺格『とおくてよくみえない』の不穏さ - 日毎に敵と懶惰に戦う
夏には4回目にしてやっと横浜美術館で開催される横浜トリエンナーレ
横浜トリエンナーレ
そしてそのあと、12月には、かの、何かと話題の松井冬子の個展があるという
上は松井冬子であるが…ヤクザ映画と同じ〈格〉である。
http://hikosaka.blog.so-net.ne.jp/2008-02-24-2
というわけで話題が尽きない今年の横浜美術館であるのだけれど、もう一つ、たぶん、一番お金がかかっていて、一番お客さんが来るであろう展覧会が、4月2日にはじまる『プーシキン美術館展』でありましょう。駅に貼られたポスターは、東神奈川駅のバージョン以外にも数種類あったみたいで
下のほうに確かに開催情報は入っているんだけれども、駅の距離感からすると、あんまり良く見えない。印象に残るのは、パステルな美女の、まあつまり、一目で印象派とわかる美女の絵、そして4月2日と言う日付。今回は1月1日〜31日にかけて、首都圏の100あまりの駅でこのポスターを展開しているとのこと。開催までしばらく間がありますが、まずは日付と、この美女を印象付けておこう、という広告戦略なんだね。
この絵はルノワールの『ジャンヌ・サマリーの肖像』という作品。いかにもルノワールという明るい色調の作品で、ルノワールの肖像画の傑作。このプーシキン美術館はロシア・モスクワにある美術館で、エルミタージュ美術館と並ぶロシアの美術館。印象派、ポスト印象派の作品が豊富なことで知られています。
プーシキン美術館 - Wikipedia
なんでロシアにフランス名画、印象派の絵画がいっぱいあるのか、というのを考えると、開国後に大量の浮世絵や江戸時代の絵画がアメリカだのヨーロッパだのに渡ったのに似ているのかなー、と。当時のヨーロッパだと印象派の作品てそれほど人気が無かったので、フランス国内で買い手が無く、ロシアの新興コレクターに流れてしまった、ということなんでしょうね。
まあ、『また印象派か…』と、『また茶の湯か…』的に感じる人もいると思うんだけれど、ニコラ・ブッサン『アモリびとを打ち破るヨシュア』とか、ドラクロワの『難破して』とか、とにかくロシアのお金持ちが集めた作品が沢山来ますので…というか、需給関係で言う所の供給過多だなあ、という印象なだけで、俺は印象派嫌いじゃないよ好きだよ!2005年〜2006年に行われたプーシキン美術館展は、大阪の国立国際美術館でしっかり見ていますし。
出品作品についての詳しい紹介は、Takさんのところをご覧ください
「プーシキン美術館展」開催 | 弐代目・青い日記帳