宿泊したビジネスホテルで7時起床、朝飯を済ませ、客先へ。早々にお仕事は終わり。さて、本日はお休みになりますので、米沢の街を廻ってみよう。荷物をコインロッカーに突っ込み、駅レンタカーで4時間500円の3段変速ママチャリを借りて、さあ行きましょう
米沢は駅の東側に大きなショッピングセンターがあるけれど、西側の川を越えたほうが本来の街が広がっており、駅前はビジネスホテルやお土産屋や一部の飲食店以外は、あまり目立った施設は無い。この旅館は目を引いたけど
自転車で川を越えて2kmちょっとで、米沢城だった場所に到着、まずは上杉神社に参拝
お城の場所そのものにある神社は、上杉謙信と上杉鷹山を祀ったもの。関が原で西軍だった上杉景勝が120万石から30万石に減封されて米沢に移ってきたのは皆さんご存知のことと思いますが、その居城だった米沢城の場所に、明治になって創建されたのが上杉神社なんですね、存外、歴史は浅い。
ですがお城だった場所にあるし、大正~昭和初期ごろに作られた神社に比べれば、周囲の雰囲気も大変落ち着いている。米沢は1917年と1919年に大火に見舞われ、上杉神社も1919年の大火で焼失し、現存するのはその後再建されたものだそうで
神社から、目の前の上杉博物館へ
かの国宝、上杉本洛中洛外図屏風を持っているのはここなんですが、残念ながら今は展示しておらず…というか、展示する期間は大変限られており、10月1日からがそれに当たっていたので、ちょっと惜しかった
でも中に。入るといきなり能舞台がどーんとあり、実際に能の公演をやる時は、奥の御簾みたいのがガーっと開いて、ホバークラフトみたいにフローティングして奥のホールのほうにザーッと移動するんだとか。なんでわざわざ、そんなすごい構造にしたんだ…
常設展示も見学
直江兼続による藩統治、そして上杉鷹山による藩の財政立て直しについてがメインの話題で、この2人が米沢で顕彰されていることがよくわかる内容でしたが、それ以外にも洛中洛外図屏風の中の人物が動くアニメーションとか、書状の折り方とか
わりと面白かったです。あと、伊東忠太って、置賜の出身なのねー
さて、博物館を出まして。この米沢城周辺は全体、落ち着いた雰囲気で良い。都道府県庁所在地だとNHKとか新聞社とかゴチャゴチャ立ち並ぶところだけれど、米沢は違うのでそういうこともなく。かといって寂れているわけでも無く。地方都市として程よい規模感があるのかな、観光地としても
目の前にある上杉伯爵邸へ。これも大火で燃えて再建されたものだけれど、庭園含めてとても良い建物
そしてここではお食事がいただけまして、一番広い、庭に面した広間はこれから来る団体さんのために設えられていましたが
これ以外のも個室もたくさんあり、1人でぶらっといったら、また別の落ち着いた部屋でいただくことになりました。米沢牛もあるけど、高いよ…非常に高いよ…
なので、2000円なりの献膳料理をいただきます。
献立は、いも煮、ぶとうの寒天、鯉のことこと煮、しそ巻、冷汁、塩引寿司、うこぎご飯、おみ漬け、食用菊の味噌汁と、米沢の名物ばかり。
冷汁の出汁加減とか、塩引鮭の塩加減とか、美味かったなー。いも煮も美味かったけど「大根を入れず、豆腐の入った」と強調されてて、大事なとこなのかな…。芋煮についてはよそ者が余計なことを言って首を突っ込んでは命にかかわる危険性がある(偏見)
満足して出て、さらに西へ。道々、雰囲気の良い神社があったり、面白い形の建物が散見されたり、街の雰囲気が良い。自転車サイズに楽しい、米沢
2kmほど西に向かうと、そこにありますのは上杉家御廟所。周囲の道路の東西南北方向の区割りから少し斜めになって道が続いている先に
鬱蒼とした杉木立の中に、それはある
とても落ち着いた雰囲気で、気持ちが改まるような場所
歴代藩主のお墓がずらっと並んでいて、日本ではこういうのはほかにないらしい。韓国の歴代の皇帝のお墓はこんなんだったかな
で、真ん中はもちろん上杉謙信公なんですが、遠藤さん…じゃない、上杉景勝公のほうに重点的にお参りしておきました
で、ですね…。この場所、とても落ち着いていて気持ちが改まる場所、と書いたんだけれど、落ち着きも改まりもしない悪いものがある。これ
スピーカーから、のべつ幕なし大音量で、解説を流し続けている。観光地の落ち着いた寺社などで、こういうの流すの、本当にいい加減やめませんか。雰囲気ぶち壊しじゃないですか。腹が立つ。スピーカーぶち壊そうかと思った。台無しである。
しかし、それ以外はとても良いところだったのです
そうそう、上杉鷹山公は今では全国的に知られているけれど、バブル崩壊前はそれほど…だったよね。ケネディが尊敬している人物として挙げた、みたいな話はあるようですが
御廟所を出て、少し自転車を走らせて、近所のおたまやという店で、味噌の量り売りをしていまして、ちょっと購入。味噌ソフトクリームとかもあった
その後、街の繁華街へ。繁華街は駅前にはない、地方あるある。近年は駅前を開発して中心部が駅前にどんどん移る傾向にはありますけどね。米沢はそういうことはない。建物を見ているとなかなか楽しい
この用品店、いいな
なんだけれど、わりと中心市街地は寂れてましてなあ…。街の中心地にある大沼という百貨店は、山形と米沢の二店舗あるそうだけれども、なかなか厳しそうな感じがしましたが
中に入ると1階は食料品とかお土産とか扱っていて、果物、ブドウがどれも美味しそう。ちょっと荷物も重いし、買わなかったけど。アケビが山盛り売っているところはさすが
今日はお昼が早かったので、もう1回くらいいいだろう…と、300年の歴史を誇るらしい蕎麦屋『粉名屋小太郎』
ここで食べた10割の蕎麦は、蕎麦の味わいがしっかりしていて、つゆも辛めで、好みだったです
このほか、昨日飲んだ米沢の地酒、東光の酒蔵も見学すると楽しいらしいし、自転車では試飲はできんしね…今回はパスで。駅に戻り、自転車を返して、お土産を少し買って、荷物を取り出して、さらば米沢、だったのであります。
かなり疲れて帰宅して、持っていた荷物の総重量をはかってみたら、なんと16.3kg
そりゃ、重いはずだわ…と思ったのでした