土曜日、お天気もいまいちなので、掃除洗濯は明日にしよう。ホットケーキを焼いて食べてお出かけ、東京駅へ。初期型ドラえもんかわいい
八重洲の駅近くのこのあたり一帯は再開発されるのだ、という話を聞きながら歩いて、アーティゾン美術館へ。この美術館はコロナ以前、開館時から予約制の入場を採用していたので、今回のコロナを受けての全国的な予約制の導入の中でも、慣れたものである
『鴻池朋子 ちゅうがえり』を見る。入場すると、いきなり、つるされた沢山の毛皮が迎えてくれる。北海道の害獣を駆除した毛皮なのだという
会場中に、毛皮、なめした皮、大きな目、そこにあるだけで存在感を放っているものが多く
会場の中をうろうろするだけでドキドキしてしまう
アーティゾン美術館のワンフロアを使った鴻池朋子の内面的な思索の軌跡に翻弄された。
これはかわいい
ワンフロア降りると、ベネチアビエンナーレの日本館の帰国展。ベネチアの日本館も、ブリジストンの石橋さんが寄贈したんですね。東京国立近代美術館を寄贈したのも石橋さん。それで自分でもこんな立派な美術館をつくり、石橋正二郎すごい。帰国展は、日本館の90%模型に作品が再現されていた
下道基行の撮影した、八重山の津波石の映像が印象深い。さらにワンフロア降りるとコレクション展なのだが、雪舟があったり
今回のリニューアルオープンに合わせて購入した印象派の女性画家の特集展に、やはり新規購入したパウルクレーの特集展もあったり、とにかくアーティゾン美術館は、開館記念展でも度肝を抜かれたけど、すごいなあ
これで入館料は1100円というのだから、お得。特に昨今、定員を絞らなければいけないために値上げ傾向にある美術館の入館料の中で、アーティゾン美術館の安さは際立つ。
美術館を出て、ちょっと画廊に寄って、地下のCha Novaでお茶
渋谷に移動して、エリックサウスマサラダイナーへ。座席から見えます稲田さん、今日もよろしくお願いします!
予約しておいた、2か月に一度のお楽しみ、モダンインディアンコース 2020夏のコース。メニューがどんどん文字数が増えていく
1品目、トマトとハーブの冷製ラッサム。トマトの甘さの奥に爽やかな辛さ、バジルなどのオイルが味わいを深くし、食欲が湧いてくる。国産のモッツァレラチーズが入っているところがまたニクイ
2品目、赤海老のインディアンセビーチェライムと様々な野菜。ローストした野菜がどれも旨味満点。ズッキーニ、万願寺唐辛子、オクラ、ナス、ベビーコーン、パプリカ、どれも夏の味。そして、マリネされたプリプリの赤海老の美味しさが、そのさらに上を駆け抜けていく。ヨーグルトの使い方とか、毎度唸るな
3品目、黒皮カジキとラルドのプロシェット セロリとオレンジ、タマリンドのアチャール。このお店のカジキの絶妙な火加減はいつも感心するのだけれど、ジューシーなカジキが自家製塩漬け豚背脂の旨味をまとい、辛いけど爽やかなアチャールがソースがわりに美味さを引き立てる。なんでもアチャールになるな
4品目、豪州産羊肩肉のチュティナード風マトンシチュー スモーキーな青唐辛子マトンコフタ添え。スパイシーなとろとろ羊煮込みは上質な欧風料理みたい、羊の肉の旨味が凝縮されたコフタと、方向性が違うがどちらも素晴らしく、グレイヴィソースをつけたパンが食感もよく、とても美味い。なんとも贅沢な一皿。口に含むたびに、顔を見合わせて、あぁ、旨い…といちいちニッコリしてしまう…店に入ってから食べ物の話しかしていない…
5品目、新しい日本のカレーライス。ターメリックライスにカレーをかけると欧風ビーフカレーで、ブラウンライスにはマトングレイヴィを掛けたり、ほのかな苦味もアクセントの卵ポテトマサラに、スパイシーなチキンマサラに、美味しさの大忙し
情報量が密だけど説明不足気味で読んだだけで意味不明な突っ走るメニューもますますスパークしている…
で、ターメリックライスとカレーをお代わりしたら、ご飯の盛りがよくて怯んだけど
「あえて全混ぜもあり」の言葉に誘われて(そもそも、なにが「あえて」なのか、文脈が無いと理解できないが)、ターメリックライスにマトングレイヴィとビーフカレーを相掛けしたところ……あ、これはヤバイ。とてもやばい。なんだこれは。思わず叫びたくなる旨さ。
ブラウンライスの方にも合い掛けしてみたんだけど、これは違うのだ。ブラウンライスにはグレイヴィが合うんだよ。これ、ターメリックライスなればのマジックなのかな。考えながら食べるうちに、あっという間にご飯が無くなってしまった
らっきょのウールガイもまた発見のある美味しさでね…。和風のカレーと欧風と正統インドが様々なレイヤーで複雑に混ざり合って混沌の文脈を形成して、しかしとにかく美味いし驚きも多くて、この一皿でずっと語りたくなるんだ…。とにかく凄い一皿
6品目、沖縄黒糖とカルダモン杏のファルーダ、きなこのパルフィ。葛切りまで入った和風の甘味みたいな、しかし杏はカルダモン、脇にはマサラなパイナップル、和菓子みたいなパルフィ、混沌の余韻を残して素晴らしいコースは終わるのだった。
はぁ、大満足…今回も驚きの連続だった…
夏の野菜の旨味と魚介の旨味から、濃縮された羊の美味しさ、そして、インドと「洋風」と「和風」が皿の上で混沌とする楽しさへ、振り幅大きい大満足のエンタテイメント。毎度ながら5000円でこれが楽しめるのは奇跡。
しかし、お隣の女性2人は5品目にはあまり手を付けられていなかった。無理もない。4品目までで、食いしん坊ではない普通の女性だと、かなりおなか一杯になるのではないか。リンゴバターつきのロティも美味しいから、バランス間違うと先に食べちゃうのである。
以前は5皿目でお替りをするかどうかで調整…という感じだったんだけれど、だんだん、調整する以前におなか一杯、みたいな量になっているけど大丈夫か…。私たちはもちろん、お代わりも満額回答しましたけどね!皿の上の複雑な楽しさに翻弄されるうちに満腹も極まる、それがモダンインディアンコース。
初心なカップルのデートには向かないかもしれない。目の前の食い物の話しか出来なくなるからな。満腹になりすぎてその後どうこうしようもないし。しかしとにかく素晴らしいので、食べることが大好きな人は来てほしいのだ…。
今回はワインはボトルではいかず、グラスでやったけど、それでもジンファンデルは結局お代わりしてしまった。飲める人なら2人でメイン2皿に対してカーニヴォジンファンデルボトル1本は空けるべきですね。
稲田俊輔さんからは、モダンインディアンコースにしろ、だいたい15分本格インドカレーの本にしろ、お楽しみをたくさんもらい過ぎである
ところで今回のコース、1品目にラッサムがあり、カジキマグロがあり、カツカレーがあり、和風がいろんな部分に顔を出していて、2019晩冬のコースとどこか通じる部分があるのだが、全体の印象はまったく異なる。2ヶ月に1回、未知の世界が楽しめるし、毎回通うとさらに楽しい
今回でモダンインディアンコースは14回目。これまでのモダンインディアンコースのうち、初回と3回目を除いて食べに来ている。行かなかった回が悔やまれる…
①2018年初夏(5~6月)
2018年初夏のモダンインディアンコース|ジェムズポータル|野村不動産が展開するGEMSシリーズ公式サイト
②2018年夏(7~8月)
③2018年秋(9~10月)
秋のモダンインディアンコース
— エリックサウスマサラダイナー (@ESmasaladiner) 2018年9月5日
1名様より、ご予約承ります pic.twitter.com/RonyGeHThU
④2018年冬(11~12月)
⑤2019年晩冬(1~2月)
⑥2019年春(3~4月)
⑦2019年初夏(5~6月)
⑧2019年夏(7~8月)
⑨2019年秋(9~10月)
⑩2019年冬(11~12月)
⑪2020年晩冬(1~2月)
⑫2020年春(3~4月)
⑬2020年初夏(5~6月)
大いに満腹になって、ぶらぶら歩いて
湘南新宿ラインで、帰宅したのでありました