日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

広島日記

4時半起床、久しぶりの飛行機出張で心も躍る。やっぱり、嬉しいですよね、なんだかんだ言っても。5時半前に家を出て、横浜経由、京急直通特急羽田空港へ。手荷物検査のゲート、本日最初のお客さんになったので、念入りに検査してくれた。人の筆入れまで見ないで欲しいです。
6時55分のJAL1601便に乗って、寝ている間に広島空港。空港リムジンバスの人となる。途中、城北で、車窓から原広司の基町高校を拝むことが出来た。馬鹿でかすぎ。そのまま広島のバスセンターへ。ここから、24系統のバスに飛び乗って、広島市環境局の中工場へ。中工場については、後のレポに譲ろう。
10時35分ごろに中工場を出て、バスに乗って平和記念公園まで。修学旅行生が闊歩する記念公園内を抜けて…原爆ドームは工事中であった。

市電の人となり、途中、道すがらに山本理顕広島市西消防署を眺めつつ、商工センターまで。本日の訪問先へ。打ち合わせしいの、昼飯に近所で食べた寿司がなかなか旨かったりしつつ、午後も打ち合わせだの提案だの。よくもまあ、ぺらぺらしゃべるものだと自分で自分に驚くことではある。
終了後、しばらくカチャカチャと仕事し、それからバスに乗って己斐まで出て、すぐ目の前の広電西広島駅へ。この駅が、開放感があってなかなか素敵な駅なのであった。

市電の人となり、銀山町へ。下りて、本日のお宿、「HOTEL ACTIVE!」に入る。この宿が、ビジネスホテルなんであるが、「外資系一流ホテルの快適性に学びました」と言うとおり、ロビーから客室までシックなデザインで居心地がいいし、ベッドは広く椅子は豪華で、有線高速LANに液晶テレビ、加湿器、タオル地のスリッパまで

各階には電子レンジやコーヒーマシンが備え付け、朝飯もバイキングでなかなか結構なものが出るらしい。これでオープン記念4980円、その後も税込み5500円。これでは、そこいらのやる気のないビジネスホテルはみんな潰れるだろう。

広島呑み助日記

さて、夜の街へ繰り出そう。事前に目星をつけてあった、薬研掘の「とみ助」へ行く。カウンターだけの小料理屋。常連さんも多そうな店であった。
まずは生ビール、つきだしに白身の魚のから揚げを酢で合えたもの?良く分からないが旨い。それから、おまちかねの酢がき、さよりの刺身、山くらげ、千枚漬け、めばるの煮付け。酒は加茂泉に野添の生原酒。
かきは勿論旨かったのであるが、さよりの刺身が、それはそれは感動的な旨さ。素晴らしい。それ以外のさかなも皆々まことに結構であったし、日本酒では野添の生原酒が、辛口なんだけど芳醇で酸味もあってとにかく複雑な味で、まっことに旨かった。少々会計が高かったのがあれであったが…。それにしても、広島の人達は本当に「じゃけえ」「のう」とか言うのだなあ。うーむ、深作的世界。
満足して店を出て、さて炭水化物を、と、「ねぎらーめん」の看板を掲げる「はせがわ」なる、やる気のなさそうな店に入ってみた。
客一人。店のおばちゃんは、私が入ったことも気づかずにPSPに興じていた。なんだこりゃ。とりあえずねぎらーめんを頼む。おばちゃんの手際は大変良い。客のあんちゃんと話を始めて、「わしトラック乗りじゃけ」とかそういう、話を始めて、しかし付けっ放しのラジオから流れてくる番組は、唐沢俊一小林麻耶の番組で、しかも今日のゲストは「日本中の包茎むいちゃうよ」の高須クリニックの高須先生で。と学会がどうした、とか、西原理恵子がどうした、とか、自分がと学会に出るのは野鳥の会の集会に鳥が飛び込むようなもの、だとか、それから包茎ユダヤの教えとか、しょっぱい話しを嬉々として語る二人を、小林麻耶が困惑するでもなく怒るふりをするでもなくキャッキャと聞いている、あんたの自我はどこに、みたいな番組。どうしたもんだろうか。
ここに一つの場末を見つつ、しかしねぎラーメンはそれなりに美味しくいただいて、ホテルに戻ったのであった。人生、いろいろである。良く分からんが、頑張れ小林麻耶

広島市環境局中工場

広島駅からのバスが、丹下健三の平和記念資料館前で角を曲がると、あとはひたすら、海に向かって一直線の道が続く。その先にあるのが、谷口吉生の「広島市環境局中工場」である。

ごみの焼却場というと、しばしば、周辺住民に嫌われる施設になる。だから、それを隠すようなデザインが…例えば大阪の舞洲焼却場だとなされているけれど、この中工場は隠すのではなくて透明にしてしまっている。そして、平和記念公園から通じる道のそのままに、透明にくり貫かれた空間。

それが「エコリウム」と呼ばれる、この焼却施設のハイライトになっている。中に入ると…

(ここは自由に見学できるのは平日だけで、土日は事前に申し込むと、工場内見学ができる)通路の両側はガラス張り。とても清掃工場とは思えない清浄な空間が広がっている。人もいない。写真を少しばかり







この写真だと、内部の空間の拡がりが十分に伝わらない。もっと広角のカメラが欲しくなる。一応、ごみの焼却についての解説もあるのだけれど、そんなものはどーでも良くて、とにかく空間のインパクト勝負である。解説の機械、立ち上がりに失敗しているし…

反対側の外に出てみる。くり貫かれた空間は、そのまま海へとつながっている。

外からの写真も



とにかく、インパクトが物凄く大きな建物。見ごたえ十分であった。平日の午前中だったから、ということもあろうけれど、人もほとんどいないし、落ち着いて見物できる。素敵な異空間体験であった。ただ、エコリウムで、光の加減でガラスに反射してしまったり、天井のガラスが思いのほか汚れていたりして、透過度が期待ほどでなかった部分があったのは、やや残念か。とにかく、キョダチク、巨大建築愛好会的にもイチオシですよ!

おまけ。建物のそとから見えた素敵クレーン