日毎に敵と懶惰に戦う

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広島市環境局中工場

広島駅からのバスが、丹下健三の平和記念資料館前で角を曲がると、あとはひたすら、海に向かって一直線の道が続く。その先にあるのが、谷口吉生の「広島市環境局中工場」である。

ごみの焼却場というと、しばしば、周辺住民に嫌われる施設になる。だから、それを隠すようなデザインが…例えば大阪の舞洲焼却場だとなされているけれど、この中工場は隠すのではなくて透明にしてしまっている。そして、平和記念公園から通じる道のそのままに、透明にくり貫かれた空間。

それが「エコリウム」と呼ばれる、この焼却施設のハイライトになっている。中に入ると…

(ここは自由に見学できるのは平日だけで、土日は事前に申し込むと、工場内見学ができる)通路の両側はガラス張り。とても清掃工場とは思えない清浄な空間が広がっている。人もいない。写真を少しばかり







この写真だと、内部の空間の拡がりが十分に伝わらない。もっと広角のカメラが欲しくなる。一応、ごみの焼却についての解説もあるのだけれど、そんなものはどーでも良くて、とにかく空間のインパクト勝負である。解説の機械、立ち上がりに失敗しているし…

反対側の外に出てみる。くり貫かれた空間は、そのまま海へとつながっている。

外からの写真も



とにかく、インパクトが物凄く大きな建物。見ごたえ十分であった。平日の午前中だったから、ということもあろうけれど、人もほとんどいないし、落ち着いて見物できる。素敵な異空間体験であった。ただ、エコリウムで、光の加減でガラスに反射してしまったり、天井のガラスが思いのほか汚れていたりして、透過度が期待ほどでなかった部分があったのは、やや残念か。とにかく、キョダチク、巨大建築愛好会的にもイチオシですよ!

おまけ。建物のそとから見えた素敵クレーン