日毎に敵と懶惰に戦う

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宮本佳明展「巨大建築模型ミュージアム」

心斎橋のアーケードを抜けると、戎橋に出る。しばらくまえからの架け替え工事も着々と進んでいる模様。こんな橋になるそうな。

http://www.road.osaka-city.or.jp/ebisucompe/result2.htm
戎橋の袂にあるのが「キリンプラザ大阪」である。以前にも一度来たことがあるので、これで2度目。
やっぱり大阪も住むに悪くない - 日毎に敵と懶惰に戦う
今回の目当ては宮本佳明展「巨大建築模型ミュージアム」というもので、建築が巨大なのか模型が巨大なのかと思ったら巨大なのは模型であった。あんまり広くない空間に、これまでの設計の模型がこれでもかと詰め込まれていて、じっくり見ようとするとかなりのボリューム。本当に詰め込みすぎですごいことになってる。どこかで見たものが多いと思ったら、暫く前に購入した10+1のvol.37で大々的に特集されていたのであった。
この人の設計案は何も無い更地に理想的な物を作るのではなくて、すでにさまざまな制約を受けた場所を利用しての設計、都市計画が中心。この場合の制約というのは「都心で土地が狭いのでちいさくても住める家」という種類ではなく、地政学的や地形的な大掛かりな話であり、その制約するものは例えば「大阪空港」であったり「傾斜地」であったり「古墳」であったり「川と堆積物」であったりと、自然人工は問わない。果ては、「リニアモーターカーを長野や富山まで走らせるた時の、日本列島の時間的な地理空間を模型で表現」とか、ぶっ飛んだものも。とりあえずデッカイ模型を作っちゃうことで有名な人らしいが、設計の性格上、周囲の環境との関係を含めて説明・説得しないと意味が無いので、自ずと模型も大きくなるのだろう。
なんというか、コンセプト優先で「えー」「だからどうした」なものも多いんだけど、積極的に現状を受け入れて、かつ前進する姿勢が好感。一種の見立てみたいなもんか。あと、コーディネートした五十嵐太郎は、やっぱりキャッチーに物事まとめるのが上手だよな、と思った。
それから、会場見取り図の「会場起こし絵MAP」をくれるのが面白かった。組み立てて模型になる。それと、全部の模型に値段がついていて、値段がついていること自体も作品の一部らしいのだが、本気で欲しいと思えばポンピドー・センターと競って手に入れることも可能だそうです。