日毎に敵と懶惰に戦う

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香港2日目 村の朝飲茶、団地、焼味、涼茶、亀ゼリー、磁器、餐室、ビール祭り…

香港2日目。昨夜寝たのは1時まわっていたけれど、6時過ぎには起きて、7時過ぎにはお出かけ。赤い路線の地下鉄を終点まで乗って、荃灣駅へ

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この、郊外の住宅地という感じのところから、またミニバスに乗るのです

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香港、ボタン押して降りられる2階建ての大型バスと、降りるときには運転手さんに声をかけないといけないミニバスがあり、どっちにしてもオクトパスカードで払えるんだけれど、ミニバスはちょっとハードル高い。でもこのミニバス80番の路線で向かう先は、終点だから降りる心配をしなくても大丈夫なのだ

しばらく街中をうろうろしてから山の中の道を進むこと20分ほど、川龍村に到着。そしてここには、有名な朝飲茶の店があるのです

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端記茶樓というお店

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店員さんが座席に案内してくれる…というわけでもなく、自分で適当に座席を見つけて座り、最初にお茶を選ぶ。お茶コーナーで勝手に茶葉を入れてお湯を注ぐ方式

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んでもって、ずらっとならぶ食べ物から、好きなものを選んで持って行けばいいのだ

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蒸籠に入ったもの、揚げ物もあるぞ

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その場で並んでいないものは頼めば作ってくれる。青菜はその場でさっと油いためにしてくれる。名物はクレソン(西洋菜)で、裏の畑で獲れる新鮮なのが出てくるんだけれど、9時前に行ったらもう売り切れ。なので、別のものに

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んで、ずらっと並べてこれ

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豚肉も、シウマイも、湯葉巻も、みな美味い…

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この青菜、豆腐ようをそのまま使ったみたいなソースがかかっていて、非常に美味い。油で炒めてあるのに、油が軽くて、とても良い

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ハチノスの炒めたのとか、腸粉とか、みな美味しいです…そして2階の座席から、村の景色を見ながらのんびりできるのがとても良い

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奥のほうには鳥好きのおじさんたちが、自分たちで持ち込んだ小鳥の鳴き比べをしていて

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二胡をひいてるおじさんには、海外のテレビ局の取材の人が撮っていたり

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自分でお茶も急須も持ち込んで、ずっとお茶を飲んでいるおじさんがいたり

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結構有名なお店になっているみたいなんだけど、のんきな雰囲気はそのままに、なのだった。とても良かったです。さて、またバスに乗りまして

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ちなみにミニバスは16席すべて着席で、途中で乗ろうとしても、満席だと載せてくれないのだ

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そして坂から下る途中、坂を上ってくるロードバイクと多数すれ違った。香港の街中では自転車というと、おっちゃんの業務用自転車くらいしか見ないけれど、こういうところに生息しているのですね、ロードバイク

荃灣に戻って、ちょっと市場を覗いたり

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鶏の店は生きた鶏がたくさん籠に入っていて、おばちゃんがこれ、と指すと、奥で絞めてさばいてくれるようだ…。1匹100~150HKドルくらいみたい。鶏に触ったら帰国時の検疫で引っかかってまうので、触りませんでした

さて、また地下鉄に乗り、深水埗へ。このあたりは集合住宅がたくさんあっていかにも香港と言う風景が楽しめる場所なんだけれど、まず美荷楼というところへ行く

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今の香港は集合住宅天国であるけれど、そのハシリの場所がここ。1953年の大火で焼け出された人のために全41棟の団地が建設されたのが、香港集合住宅史のはじまり。で、その場所の中の一つのたてものがリノベされて、ユースゲストハウスと展示室になっているのですね

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H型の集合住宅の模型とかあるぞ。ひらひらしているのは、日の差し込みを防ぐゴザか何かかな

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当時の団地の暮らしに関する資料もいろいろ、大衆小説なんかも

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そして、団地の建物そのものに、当時の暮らしのようすが再現されているのだった。相当狭い。ワンフロアに無理やりロフトを作って寝室にしている

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この団地、当初は棟の両壁に廊下と入口があって、真ん中で区切られて2部屋とる構成になっていた。台所水場トイレも共同

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のちにリノベされて、片側はバルコニーでそこに水場と台所もある、片側が廊下、という構造になった。で、1区画が6人、1.5区画が9人、2区画が12人という構成になったのだけれど、それでも狭いもんは狭い。基本的に2段ベッド

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そういう、団地の暮らしを再現して見られる楽しい施設。団地年表も興味深いぞ

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1980年代に流行ったこれ、スターハウスじゃなくて、Y型というのね

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この41棟あった団地は、一部は取り壊されて別の高層マンションが建っているけれど、一部はそのまま残っていて、ちゃんと人も住んでいるのだった。そのあたりも眺めつつ

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団地の中の公園では、上半身裸のおっちゃんたちがマージャンなどに興じておりました

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で、さて、そろそろお昼。特に調べていないが、ぶらぶら歩いていたら

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焼味のお店がなかなか良さげ

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中を覗くと、上半身裸の近所のおっちゃんが昼飯を食って賑わっていたので、まっとうな店なのだろう。さっそく入って、注文…

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焼味雙併飯というのが、たぶん、2種類乗ってくるのだろうな…ということで、種類が別々になるように2つ頼みまして

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鶏、鴨、叉焼…と、我に鳥で、ガチョウなのかな。アヒルとも違うのか。どれもこれも大変お味がよろしくて、ガチョウだかアヒルだかは皮と脂が絶品であった。2つで87ドルだったので、お安いのではと思います。店の名前は知らぬ

そして、今日はこれからもいろいろ食べるので、すこしお腹を落ち着かせよう…と涼茶の店をみつけていただきます

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広東省特有の涼茶、いろいろと漢方を混ぜた黒いあたたかいのみもので、店先で碗に注がれたものをその場で立ち飲みして碗を返す方式。そそいでガラスの蓋がしてあるのが面白い

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ベーシックなのを10ドルで買って飲むと、お腹がすっとして暑さもスッとするような気がするのだった。香港人、散々食べて、こういうのとか亀ゼリーとか入れて、不健康なんだが健康オタクなんだかよくわからない、不思議である。

その後、深水埗の街をうろうろ。どこも向いても、香港!という感じで、楽しいなあ

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ガソリンスタンドも味のあるのが残っていて良い…

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洗濯物の干し方がよい…

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楽しい

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このあたりは問屋街になっていて、通り1本ごとに、同じような店が並んでいるのね。そんな中をぶらぶら塁手、太子駅のちかくまで行き、次はこのお店、蘭苑饎館

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なかなか高級なお店みたいでして、亀ゼリーも基本53ドルからなんですが、なんかすごいのがありますよ、650ドルの亀ゼリー、1万円!

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そんな高いのはいらないので、53ドルの亀ゼリーと、ピスタチオ汁粉をいただきました。すごい色のコントラストだ

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香港、冷たいものは体に悪いという発想から、基本的に夏でも暖かいものを食べます飲みます。氷が貴重だったという経緯もあるとは思いますが。そしてこのピスタチオ汁粉がとても甘く、にがすっぱい亀ゼリーと、味も不思議なコントラストなのだった

ここから地下鉄でワープして、九龍湾の駅へ。工業団地みたいなビルの3階にある、無造作に磁気が売られている店へ行く

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えっ、入っていいの?という感じがあるけれど、こちとら、こういうところは、清澄白河あたりのギャラリーで慣れてるからね…。で、バカでかい荷物用エレベーターで3階にあがるとお店が

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「粤東磁廠」という磁器の店なのであるけれど、あまりにも山積みすぎて

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このお店、自分のところのブランドも多数で、おっちゃんがここで絵付けをしているのですね

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そして広くて、眺めているだけで疲れてしまい。見ていて楽しいけれど、買いたくてもなんか選べない…状態だったんですが、なぜかペニンシュラの名前が入っている蓋碗と、本来はソーサーのお皿を2枚購入。各60ドル。絵皿は菓子皿にするかな

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お店のおばちゃんはフレンドリーで、観光客にも慣れているけど基本的にほうっておいてくれるので、親しみやすいお店であった。さてまた地下鉄でワープ、ほぼ来た道を戻り、油麻地へ。駅を降りると、なにやら気になる古い建物をみつけて近寄っていくと、市場だった

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しかも果物の市場で、主に日本や台湾やアメリカや、輸入高級フルーツばかり扱っている

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で、長野のシャインマスカット一房5000円とか、桃2つで2000円とか、日本なら高級フルーツ専門店で恭しく整然と並ぶような値段のものが、山積みにされて、どんどん売れているのだった。すごいな。香港の人が買っているのか、深圳とか広州のひとが来て買っているのか

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素敵なビルを眺めながらまたお散歩。上海街はかっぱ橋のようなところで、菓子木型を扱う店もあるが、それは版権的にちょっと、という木型が…

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ぶらぶらあるいて、とにかく、暑くてですね、ときどき店に入らないと死んじゃうわけでして、こんどは有名な「冰室」と言っていいのかな、美都餐室というところにはいります

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映画のロケなんかにもよく使われた場所で、かなり観光名所になっており。店内はとにかくタイルが素敵…

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で、コーラをあっためてレモンと生姜を入れる、という不思議なメニューをいただいたのだった。香港、相変わらず、食べ物も飲み物もなかなか謎が多い。トーストはエバミルクがけ

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さっきからいろいろ食べたり飲んだりしてばかりであるな

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この後は本屋に入り、香港に関する本や、お茶に関する本を買ったり、裕華国貨という懐かしい感じがするデパートで買い物したり、樓上という高級食材店で調味料を買ったり、ワトソンズでお土産買ったり。地下鉄に乗って、一旦、宿に戻り

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また出掛けて、トラムにようやく乗りますよ

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同じ行先のトラムが2台続いていて、後続に乗ったら2階最前列がとれた。ここに座れるかどうかで、けっこう、楽しさが変わるのりものであるな。トラムから見る香港の街、楽しい

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福臨門だ…高級店だ…

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そのうち雨が降って来て、トラム、雨がふると窓は自分で閉めないと座席がびちゃびちゃになるのね。銅鑼灣あたりでトラムを降りるころには本振りに。この季節、かならず、1日に何回かは雨が降るみたい

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あのポスターはなんだろう、責任を持てないなら猫を飼うな、的ななにかかな

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んで、ばんごはんは「泉章居」という、広東客家料理の店で。なんか空いて見えますが、大層賑わっております

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日本語もなんとなく書いてあるメニューも持って来てくれたので、それに助けられながら、名物の豚と高菜の蒸したのとか頼んだわけですが

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どれも味は良いのだけれど、とにかく量が…。いろいろ食べたあとで2人でこれはなかなか辛い。申し訳ないが、結構残してしまいました。味については、豚以外は非常に薄味で、広東料理ってこういうものなんか、そういうものばかり選んでしまったのかな。海鮮のスープは上品でよい味わいだったなー。

またトラムに乗って中環あたりまで戻り、香港返還20周年のランタンを眺めたり

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HSBCの本店を眺めたり

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風水を考慮して、地上部分は吹き抜けになっているんですね

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下から見上げると楽しいぞ

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さらに歩いて蘭桂坊へ。若者と外国人が集まるエリアで、昨日今日とビール音楽祭をやってまして、人でごった返して大騒ぎ。

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クラフトビールをじっくり…的なものを少し想像していたら、そういうんじゃなくて、大手メーカーもたくさんでており、とにかく、お祭り!という感じだった

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みんなが被っている紙の王冠配っているのは信頼の日本品質okamotoであったりですね…。そういう中でもクラフトビールの屋台も出ていまして

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ビールは、香港で製造しているラガーをいただきました。はー、美味い

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23時をまわっても、大騒ぎは続く

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お宿まではあまり距離も無いので、ぶらりぶらり、あまり治安を心配せずに歩けるのはええね。ミッフィーがたくさんいる店があったり

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素敵な雰囲気の階段があったり

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街の風景を眺めながら、本日もほぼ日が変わるころに宿に戻ったのでした。昨日今日と、それぞれ2万7千歩ほど。結構歩いているけれど、それ以上に食べていますからね。明日はマカオ、どうやってもトイレまでびしゃびしゃになるシャワーを浴びて、寝ましょう

在華坊(@zaikabou)/2017年07月15日 - Twilog