日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

昼飯を食うのに理屈はいらないが…

始発電車で眠い目を擦りながら帰宅。しばらく寝る。起きて昼過ぎに家を出る。中目黒のKURAという店でゴルゴンゾーラペンネ。それなりに美味しい。まっとうなペンネを昼から気軽に食わせてくれるところ、ということで記憶に留めておこう。唐突にこの店に昼飯を食いに来たのは、アスクユー・レストランガイドで評判が良かったからで。
この手の素人批評に対して、「愚劣の極み」という見方をする評論家も多いようだ。たしかに、シロートが間違った知識でわかったようなわからんような批評を書いている場合も多いし、グルメサイトに載せるために飯屋であたり構わず写真を撮っている現状には閉口する。しかしながら、少なくとも「美味いか不味いか」「好きか嫌いか」「直感的な印象はどうか」までも捻じ曲げて記述している人はあまりいないわけであり(サクラはともかく)。
だから、例えば自分はAという飯屋が好きだが、Bという飯屋はどんな評判か、ということを知りたいとする。このとき、Bという飯屋の批評をまず読んでみる。そして、その批評を書いた人がAという店をどう書いているか、を読んでみる。あるいは、自分の嫌いなCという店をどう書いているか読む。このことで、自分と同じ傾向の人が気に入っている店だから大丈夫そうだ、とわかったり、この店を褒めている人は、自分が嫌いな店も褒めているから駄目そうだ、などと類推が利く。
シロート批評の醍醐味はこなあたりにあるわけで、だからこそ、「情報の量」「優秀な検索機能」そして、「情報を取捨選択する自分の判断力」が重要になるのでは、と。そのような視点で見ると、アスクユー・レストランガイドや、映画においてはCinemaScape−映画批評空間−は、きわめて優良なコンテンツだと思う。
人の意見なんか頼りにせずに自分で選べ、というのもごもっともな意見ではあるが、時間は有限なのだし、特に東京の場合は出来ては消えるお店が玉から石まで雲泥の差すぎるので、消費者にも猶予を与えてやってくれい、と切に思う。