日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

東京大学総合研究博物館へ

綱島から東横線で武蔵小杉、目黒線から三田線に直通して春日駅。坂道を登って東大方面に行こうとすると、建設中のマンションと住民の反対看板というお馴染みの光景。
  
こういう看板は、大抵「この看板のほうがよっぽど景観を汚しているだろう」と突っ込みたくなるものが多いのだが、ここのは比較的穏健で数も少なくて好感が持てた。国立(くにたち)の件も、これぐらいのレベルにすればもっと共感を得られると思うが(共感を得ても何の足しにもならんだろうが)。
いかにも本郷らしい路地を抜けて、東大の赤門をくぐる。ここに来るのは受験以来七年ぶりか。受験しただけだったが。右奥に向って東京大学総合研究博物館へ。「メディアとしての建築──ピラネージからEXPO'70まで」展が目当て。入ると標本の展示をやっていて、特に哺乳類の骨格・頭蓋骨標本が分類別に並んでいてなかなか面白い。普段は意識しないけど、実は近い仲間同士の哺乳類。それぞれの骨格標本を見せられると、なるほど近い仲間なのだと実感できる。溝鼠の骨格標本なんて、良くきれいに作るものだな。
肝心の「メディアとしての建築」の方は…。要するに、収蔵品から万博関係のものを特に脈略無く引っ張ってきて文脈をつけてみました、という感じ。たしかにピラネージの版画とか、ロンドン万博当時の書籍なんて貴重だろうし面白かったけど、

18世紀以降の近代という時代のなかで、建築が何を伝えようとしたのか、そのためにいかにデザインされたかを展示を通して見ていきます。

なんてことは別に見えないような。それぞれの万博に対する説明書きのキャプションも、悪い意味でのアカデミズムというか、何が言いたいのかはっきりしない、理解に苦しむ文章が多い。と、思いつつ出口付近で図録をみると、かなり気合いの入った作り。もうちょっとその意欲を展示に注いでもいいんじゃなかろうか。