日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

GAgalleryへ

何事も無い穏やかな日曜日。昼前に出かけてみる。渋谷まで出て、山手線で原宿。皇室専用駅の脇を抜け、更に北へ向かい、一戸建てと高級集合住宅と事務所と落ち着いた商業施設が渾然一体となった中を進むと、『GAgallery』に到着する。

お目当ては『〈住宅プロジェクト2005〉展』というもので、著名建築家の最近の住宅建築を一同に集めたもの。自分としては住宅建築にはあまり興味は無いのだが、GAgalleryというのはこれまで一度も入ったことが無かったので来てみた。建物は、外観はコンクリート打ちっぱなしで「いかにも」なのだが、中も結構凄い。手すりの無い階段が「年寄りは怪我しやがれ!」と主張するような作りになっている。
展示内容としては、海外の住宅や地方の住宅が、コンセプト重視だったり景観との調和重視な方向なのに対し、東京都心部の建築の多くが「狭かったり変な形だったりの土地をいかに有効に活用するか」が重点なのだな、という感じ。それでも、どちらにしても、空間をなるべく区切らないようにしたり、少しずつずらした多層構造を使ったりして空間の広がりや多様性を表現しようとしていて、作りの方向性はあまり変わらない印象だった。全74作品、建築模型も多数あり、見応えのある内容。隈研吾の作品は、前に事務所で模型を見せてもらった米倉誠一郎の別荘だった。
森のなか くまさんに 出会った - 日毎に敵と懶惰に戦う
それにしても、こういうある意味奇抜な住宅もいずれは持ち主が手放す時が来るのだろうが、その時買い手はつくのだろうか。不思議な家ばっかりの市場が形成されて、割合安く多品種の中から選べるようになると面白かろうな。
書店も併設されていて、これはもう、本当に建築雑誌と建築専門書ばっかり。TOTOINAXの本屋に比べると本職の人御用達な感じで、下手の横好きには少々敷居が高い空間であった。