日毎に敵と懶惰に戦う

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ブックオフで本が廃棄されていると問題について

Q.古書的価値の高い本が多少捨てられたとしても、それほど問題ではないのではないか?
A.廃棄問題に関して語られるとき、古書的価値の高い本が捨てられていることがよく話題になります。
しかし、それに関してはそれほど問題ではないと、わたしは思っています。欲しがっている人に渡った方がいいとは思いますが。
それよりもわたしが問題だと思うのは、新品では手に入らず、古書としては評価されない中途半端な本が大量に捨てられている点です。
古書的価値の高い評価の定まった本は、すでに社会の共有財産だといえます。本自体が多少捨てられたとしても、内容が忘れ去られることにはつながりません。それに対し、前述の中途半端な本は、これからの出会いを待っている本なのです。
http://b8270.at.infoseek.co.jp/haiki.html

「中途半端な本」が積極的に評価されたことがあっただろうか。これまでの古書店にはそれが並んでいたとしても、それは消極的な理由、とりあえず買いとって棚を埋めている、というだけで、積極的に価値を見出そうとしたことはないのではないか。消極的に、システムのアヤのようなところで生き残った本が、誰かとの出会いによって価値を見出された、ということを積極的に評価して良いのだろうか。
その本は、「ブックオフがなかったら」捨てられていただけなのではないか。ブックオフが廃棄という行為を集中して行なっているから目立っているだけで、ブックオフの行為の功罪をうんぬんするべきだろうか。
但し、ここで言う「中途半端」がどのへんを指すのか、によって、この意味するところも変わってくるような気がする。これは、もうちょっとブックオフを観察してみないといけないな、と思う。