日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

アートフェアへ

プールを出て、表参道を表参道駅まで散歩。表参道ヒルズはかなり工事が進んでいた。新潟の物産館に寄ったら、野菜を売っていたので、丸茄子と焼き茄子(焼く用に適した茄子)と茶豆を購入。新潟は茄子の消費量が日本一であるらしい。地下鉄に乗って日比谷、東京国際フォーラムに赴く。途中、地下で、携帯のテレビ電話で手話でお話をしている人を見かける。なんというか、感動した。
東京国際フォーラムの目的は、アートフェア東京である。古美術から絵画、現代美術までの画廊が一堂に会して、作品がいろいろ見られる、という素敵イベント。入場料1000円はちと高い、気もするが、電車賃使ってあっちこっち行くことを考えれば、そうも言えないか。
絵画系は華麗にスルーして、現代美術系へ。小柳とかミヅマとか山本現代とか小山登美夫とか東京画廊とか、シロートの私でも知っている、つうか名前を聞いたことのあるギャラリーが多数出品している。あと、カイカイキキとか。村上隆がうろうろして、他のブースに顔をだしてだべったりしている。うろうろしているのだが、「あ、村上隆だなあ」程度の目線を投げる人は時々いても、サインを求めたりする人は誰もいなかった。当たり前すぎる光景なのだろうか。
とにかく、ほとんどすべての作品に値段がついてるのである。だから、作品を見る視点も、もちろん「いいなあ」「素敵だなあ」というのもあるのだが、そのほかに「部屋に飾るとしたらどんなのがいいのか」「いくらなのか」という視点になってくる。値段で言えば、評価のある程度確率している洋画、日本画にくらべて、一部のアーティスト以外の現代美術の安さの際立つこと。なるほど、これはちょっと頑張って手に入れてみようか、と思うくらいの額だ。エウリアン相手に何十万も溝に捨てるより、気に入った一点ものの作品を何万〜十何万で手に入れたほうがどんなにかよろしい。
中でもいいなあ、と思った(この「いいなあ」は、純粋に良い、というのと、この値段ならかえる、というのが微妙に混ざっています)のは、坂千夏、大橋宣彦、石川亮、それから、横尾忠則の絵もあって、雨がそぼ降る住宅街の一角を描いたものなのだが、なにか物悲しくなってしまってしばらく立ち止まってしまった。しかし値段は見なかった。見てもしょうがないだろうし。石川亮の「全体」地図は凄い。思想拝啓うんぬん以前に、職人芸。
印象は極めて散漫になっちゃうのですけれど、いろんな傾向の作品をこれ以上ないほど雑多に見れる機会なので、行って損はないイベントかと。