日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

また横浜トリエンナーレ

土曜の朝を迎える。とりあえず飯を食って横浜に向う。元町・中華街駅で降りて、横浜トリエンナーレへ。定期的に行こうと思っているので。
高嶺格の『鹿児島エスペラント』に、誰も並んでいなかったのでじっくり観察。仮設階段を上って、巨大な暗闇の、箱庭様の空間で繰り広げられるインスタレーションを観察する、というものなのだが。優しい音楽と光の軌跡の美しさ、浮かび上がる文字、エスペラント語と鹿児島弁、とにかく、美しい作品。一見アナログなんだけど、しかし緻密で実に完成度の高い作品で、これはオススメ。
『天使探知機』。完全な静寂が訪れると灯りが点るはずなのだが、10分くらい粘ってみたが、ついぞ光らず。人の出入りが激しく、外からも様々な音が響いてきて、光る気配さえ見せない。出入り口を厚手の布で覆ってみたり、近所の中国の作品の音を落としてみたり、静寂を創り出そうと頑張っている軌跡は伺えるのだが…。むしろ、他の、出入りする人達の反応を眺めるのが面白い。
さて、今回のトリエンナーレのテーマの一つが『展覧会は運動態である』である通り、会期中でも様々な製作が行なわれているのだが、既存の作品に進入出来ないようにだんだん覆いが出来ていくのも『運動態』の一形態なんでしょうかねえ。あと、調整中の作品がいくつかあったりするのは、動く展示物の多い展示会のお約束ということで。
堀尾貞治+現場芸術集団「空気」は、壁の色塗りパフォーマンスをしていた。だから何、というわけではないのだが、とにかく壁に色を塗っていた。お疲れ様です。
中庭。電話ボックスに入ると電話がかかってきて、お母さんから息子への伝言が聞こえる『波止場の伝言−million mama』。85歳のお母さんから息子への伝言とか、「バイクばっかり乗って奥さんを悲しませないでね」とか、なんだかダウナーな伝言もいくつかあり、まるで自分が、波止場で母親と電話で話をしている海の男の気分に。悲しい。これ、1ヶ月ごとに伝言の内容を少しづつ入れ換えるらしく、実際に今も録音をしているらしい。
暫く間を空けて、また訪問しよう。
会場内バスで入り口に戻り、市バスに乗って横浜駅へ。湘南新宿ライン新宿駅へ。京王新線で初台に出て、オペラシティーの地下のイングリッシュパブのようなところで、昼飯でピザを食う。