日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

オペラシティーで展覧会二つ

まずは、オペラシティーのアートギャラリーで、シュテファン・バルケンホールの『木の彫刻とレリーフ』展。非常に荒い、彫り痕がはっきりわかる彫り方で、これと言って特徴の無い普通の人が彫ってあるのだが、突如、その中に頭だけ象の人があらわれる不思議、というか不気味。
同時開催で相笠昌義のコレクション展、それから森本太郎という人の作品。相笠昌義の画が、とにかく、日常生活を描いているだけなのに、グロテスクで怖い怖い。特に駅で電車を待つ人々を描いた画、この人たち、一体、何をしているのだろうと。
次に、ICCで『アート&テクノロジーの過去と未来』。いやあ、素敵。やっぱりICCはこうじゃなくちゃ。一見、最新技術っぽいカラクリを使った、やけに壮大で馬鹿でかい作品なのだが、安っぽい電子音がするだけだったりして「なんだこれ」と途方に暮れるような作品群。ワンアイデアで「へー、ははは」な作品。この絶妙の脱力感がICCの真骨頂でさあね。いや、嫌いじゃないのよ。面白いよ。俺、好きだよこういうの。
で、やはり、思うのはICCの原点回帰っぷりで、入ってすぐの所に開館当時、まだオペラシティーに常設会場を持たなかった頃に青山スパイラルで展示されていた作品があったり、そういえばまだいたんだなあ(いや、失礼な話ですが)の三上晴子の作品があったり。やっぱりもうすぐ無くなっちゃうのかなあ。というか、「これで最後」という話はあっちこっちから漏れ聞こえるんですが、公式情報にまったく接していないのですが…。
ともかく、いわゆる括弧付きの「メディアアート」の歴史が見れて大変に面白かったです。