日毎に敵と懶惰に戦う

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東京オペラシティー アートギャラリー『藤森建築と路上観察』

都庁前で降りようと思ったのだが、西新宿五丁目まで乗り過ごす。まあいいや、降りて、山手通りを南下して、建設中の首都高速中央環状線を観察したりしつつ

オペラシティーへ。まずはICCへ。開館10周年の記念展をやっていて、紆余曲折あったなあ、と感慨深い思いを抱えながら展示されているメディアアートを眺めたが、どうにも、観念的に偏りすぎた面白みの少ない作品が多く、ノレない。ここのキュレーションはクオリティの安定性が無さ過ぎる。無料だから別にいいけど…。
次にアートギャラリーへ。去年行われたベネチア建築ビエンナーレの帰国展『藤森建築と路上観察』を。
http://www.operacity.jp/ag/exh82/
入り口入った途端、まず壁の『仕上げ』から展示が始まる。そして、柱や建材を仕上げるための道具の数々とその効果。焼き杉とかも。なによりも、仕上げや素材の質感を追求し続ける藤森照信さんの姿勢がビンビン伝わってくる。たしかに形も奇抜で独創的なものが多いのだけれど、そうだ、やっぱり見た目の仕上げからくる、その印象、雰囲気が独特なのだ。展示されている実際の素材や写真など見ながら、浜松にある秋野不矩美術館にすぐにでも飛んで行きたくなった。
会場を進むと、靴を脱いで上がり、茶室のにじり口のようなところを潜る。海面上昇で沈んだ街『東京2107計画』の巨大な模型と竹で作られてた庵を中心に、草の匂いが充満する会場。座り込んで映像に見入るも自由。竹で作られ、縄で覆われた小屋の中では、路上観察学会の名品映像集を上映中で、かなり長い映像だが飽きずにすべて見てしまう。
藤森さんの建築にしろ、路上観察にしろ、神は細部に宿る…というのかな、とにかく細部や仕上げなどの観察とニュアンスによる心地よい世界観が提示されていて、見飽きないのだった。これはお勧めなので、是非見にいかれたし。ところで、会場に小沢剛そっくりの人がいたが…