日毎に敵と懶惰に戦う

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ファブリーズのCMの不思議

昔から微妙な雰囲気で好き嫌い分かれている、P&Gの消臭剤ファブリーズのCMであるが、今やっているCMの意図が微妙にわからない。
ある家族の朝。これから出かけようとする旦那。予報では今日の天気は雨らしい。『降水確率99%なんて聞いたこと無いよ!』と憤る旦那に、奥さんが『そういえば、ファブリーズの除菌も99%…』とか言いながら、旦那の黴臭いジャケットにファブリーズをプシュ。
窓の外を見ると太陽が顔を出し、晴れ渡る空。天気予報は外れたのだ!
………
さて、分からない。CM全体の雰囲気としては、ファブリーズで黴臭さが消えて、お天気まですっきり晴れやかに!ということなのだろう。しかし、


・天気予報では99%の確率で雨→予報が外れて晴れ
・ファブリーズは99%の除菌力→???


つまり、ファブリーズでも除菌できない1%、を強調しているのだろうか?ファブリーズでなんもかんも除菌して臭いを取ることはできませんよ!って意味か。
これで思い出すのは、医薬品や洗剤のCM。医薬品や洗剤のCMではイメージ画像が多用されていて、医薬品が患部を癒す様子や、洗剤が汚れを分解する様子が表現されている。しかし、そのようなイメージにおいて『すべての細菌や汚れがスッキリ』する様子は絶対に表現されない。かならず、一部が残るイメージになっている。薬効や効能に対するエクスキューズなのだろう。完全に効くわけではありませんよ、という。
翻ってファブリーズのCMを考えると、上記のようなイメージでエクスキューズするのではなく、CM全体の雰囲気としては爽やかさを表現しつつ、言葉のやり取りで効能についての注意を仄めかす、という、新しいメソッドなのかもしれない。