日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

Art-U room アヌ・トゥオミネン 森の住人

7時起床。昨夜半からの雨がまだ降っている。朝から御飯を炊いて食べたり、掃除したり、宅配便を受け取ったり、日記書いたり、一日のんびりしているつもりだったけれど。blocを見ていたら、アヌ・トゥオミネンの個展が、Art-U room で昨日からはじまっていることを知る。なんたる不覚!いてもたってもおられず、お出かけ。

Art-U roomは、表参道にの裏道、白いビルの3階にあるギャラリー。
http://www.art-u-room.com/art_u_room/Art-U_room.html

アヌ・トゥオミネン Anu Tuominen はフィンランドのアーティスト。森の多いフィンランドの生活の中で、身の回りで使われた道具を使い、そこから着想を得た作品を作り続けている人。私はこの作家を、去年のアートフェア東京の会場で知った。糸、毛糸、ガラス瓶、小皿、ボタン、靴下、ちびた鉛筆…などで作られた作品が愛らしく、いつまでも眺めていた。それらは2006年に開かれた『キッチン』と題された個展に出品されていたもので、台所周りで使い込まれた道具と毛糸を組み合わせた作品に辛抱たまらず、作品自体も欲しいと思ったくらい。
結局、作品集だけ購入したのだけれど、その2006年に開かれた個展にいけなかったことをものすごく後悔したのだった。その個展が開かれる!これは行かないわけにはいかない。以下は、ギャラリーによる作家の紹介ページ。写真を見ただけでも、愛らしいでしょう。実物はもっとほんわかするのです。
http://www.art-u-room.com/tuominen/tuominen.html
今回の個展のテーマは『森の住人』ということで、切った枝を加工した作品、使い古したブラシを見立てた作品、手袋や靴下を見立てたり、縫い合わせたりした作品などがあった。とにかく、道具にしろ自然の枝にしろ、使い込まれた、年月を経た、風合いのあるもの有りきで作られる作品なので、味わいが格別。私は前回の個展で出されていた、キッチン用品と色とりどりな毛糸が組み合わされた作品が一番好きだなあ、と思ったけれど。今回の展覧会においても、作品に一貫した哲学が感じられて、その中でいろんな素材を使っていることに非常に好感が持てた。(実際、私が好きな作品は一番人気があるらしく、よく売れるらしいのだけれど、作家さんはそういうものばかりは作りたくないらしい)
作品も比較的手ごろな価格で購入できるけれど、今回はとりあえず我慢。大きなポストカードが素敵だったので、何枚か購入しておいた。この日は作家本人がギャラリーにいて、取材を受けていた。優しそうな女性だった。これから沖縄のほうをのんびり旅するらしい。なお、この方は前号の暮しの手帖で特集されていたみたい。
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/index.php/honshi/c4_32.html
次回の展覧会もすでに構想があって、今度はボタンを使った作品を中心に…というようなつもりらしい。次回も楽しみ。と言っても、2年後とからしいけれど。個展は4月27日までです。是非行くべし。