日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

花火を見たりと今日の日記

5時半起床。朝飯に、雑穀米と納豆と味噌汁と漬物。なんなんでしょう、この精進な朝飯は。
6時半に家を出て、こんな時間から混雑している東海道線で東京へ。7時28分のあさまに乗り、寝ている間に上田へ。客先で仕事、打ち合わせ。思ったよりも時間がかかったが、なんとか終了。よく行く蕎麦屋で、相変わらず馬鹿に量の多い蕎麦を食い、再びあさまに乗って東京へ。帰りもよく寝た。
会社に戻ってばばばばと仕事し、なんとか予想外に8時前には終わったので、横浜の開港祭の花火を見に行くことにした。
みなとみらいで下車する。会場は臨港パーク、すなわち、みなとみらい地区の一番海に面したところにある公園。さてどのあたりから見るべい、と迷ったのだけれども、2番出口から出てずんずん進んで、人の流れに乗らず、回り込んだのが良かったようだ。臨港パークの北の端、入海と太鼓橋の北側にうまく廻り込むと、混雑がぜんぜん無く、落ち着いて海にがぶりよりで花火を見ることができた。

雨が降りそうな空だし(実際、見ている途中から小雨が振り出した)、平日だし、全体的にあんまり混雑していないのだなあ…と思いつつ、その後、花火を鑑賞しながら臨港パークの中心部に移動したところ、相当混雑していたので、私が最初に鑑賞した場所は相当な穴場だったに違いない。みなとみらい駅の『2番』出口から出て北のほうから周り込むルートは、途中でコンビニもあって買出しもできるし、とにかく空いているしで、花火見物にオススメです。
臨港パークの中心部は、結構、木で羨望が邪魔される場所が多く、へんなトラップにはまると大変だな、などと思いつつ、ぶらぶら。そうこうするうちに花火は終わり。

小雨がそぼ降る中を、野毛の我が家へ。途中の中華料理屋で雨宿りしつつ、晩飯にすることにする。
空いている店内、客先に座って新聞を読んでいたアンニュイな店主に席に案内されて(こういう店の場合、案内した人が実は店の関係者でもなんでもなく、ただ単におせっかいな近所の人だったりするのだが、さすがにそれはなかった)、座り、ビールと牛肉のハチノスの葱和え。野毛には中華料理屋が多く、どこの店もリーズナブルで、それなりに美味いものが出てくるのは嬉しい。
やがてやってきた、近所の人とおぼしきおっさんと店主、『今日は雨で最悪ネ』『パチンコに行ったら5000円つっこんモ駄目、隣の女の子が1000円で当たって、もう今日はヤメ』『昨日の競馬ハ…』などと会話している。
テレビを見ていると旅人(笑)中田英寿の密着ドキュメンタリーがはじまり、追加で頼んだ甕出し紹興酒は、大きなグラスになみなみと注がれておりオイオイと思うが、あまりアルコール度数が高くなく、味わいは良い。別のお客、怪しげなおっさんは、連れのフィリピン人ぽい女の子に、中田のドキュメンタリー番組を出汁にテレビ業界の非情さについて懇々と語り始め、店の主人のギャンブル話は延々と続き、アフリカを旅する旅人(笑)を見つつ、『この裏にも黒人住んでるケド』『あれ、福富町のヤッチャンの運転手ネ』『福富町の、何組だッケ?』

追加で頼んだ酢豚はなかなか美味い。店の奥で、カンフー映画のやられ役にぴったりな顔をした料理人が、黙々と料理を作っている。
ああ、こういう瞬間のために僕は生きているのだ、などと感傷にふけったり、いやいやぜんぜん違うだろ、と思ったりしつつ時間をすごし、会計して店を出ると、ザンザ降りの大雨になっていた。
傘が無い。あの信号が変わったら走って渡ろうかと、所在無げに店の軒先に突っ立っていると、件の店主『傘無い?』『いえ、近所なので大丈夫です…』『貸すよ』『あ…、すみません、必ず返しますから』『いいからいいから』ビニール傘を貸してくれた。
やっぱり、こういう瞬間のために、僕は生きてるのかもしれない。