日毎に敵と懶惰に戦う

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中区住民がオススメする横浜デートコース、海側編

横浜でデート、という場合、主にイメージされるゾーンとしては、3方向くらいに分かれるのではないか。

ひとつは横浜駅周辺であり、午後から会って(あるいは、市内の郊外で遊んで午後から横浜駅周辺に戻ってきて)駅周辺で買い物をして、食事も済ませて、お好みにより鶴屋町のラブホテルにでも行くコース。横浜にお住まいのお若い方ならこういうデートをしたことがあるかもしれない。

 

【横浜には2つの顔がある】

もうふたつはいずれも、横浜駅周辺でない横浜。つまり、横浜市民なら小学校のころに必ず習う『吉田新田』から海側の埋立地にかけての地域。このみなとみらい関内関外においては、京浜東北線国道16号線を挟んで、海側と山側でがらりとイメージが変わる。

即ち海側は、ランドマークタワー日本丸のあるみなとみらい、カップヌードルミュージアム工作船や赤レンガ倉庫などのある新港地区、馬車道商店街桜木町から汽車道を抜けて象の鼻パーク~大さん橋山下公園氷川丸マリンタワー、関内の官庁街である横浜三塔日本大通横浜スタジアム周辺、バーやスナックを中心とした関内の歓楽街、そして中華街、元町商店街港の見える丘公園、さらに足を伸ばせば、近年カヤックの品揃えが豊富なモンベルが開店した新山下や、本牧から三溪園にかけて…などなど、所謂、横浜らしさを象徴するような場所。

一方の山側は、市民酒場などが点在する戸部周辺、花見の名所掃部山公園、飲食店が密集するとともに新宿二丁目と並ぶゲイタウンでもある野毛、無料の野毛山動物園、かつての違法風俗街で今はアーティストが集う日の出町から黄金町周辺、韓国料理やタイ料理やベトナム料理やついでに街娼も溢れる福富町から若葉町、雰囲気の良いバーが集まる吉田町、古い商店街で実は中華料理屋の隠れた名店の宝庫である伊勢佐木町周辺、山谷やあいりん地区と並ぶ日本三大ドヤのひとつ寿町、ディープで濃密な横浜橋商店街から八幡橋あたり…競馬と競輪と競艇の場外も密集する、ある意味、こちらも、とても横浜らしい場所。

飲食店の充実度で言えば圧倒的に後者の山側であるし、見て楽しい場所もいろいろあるし、例えば両者を横断することも可能であり、黄金町で飲んで良い雰囲気になって終電が無くなるころにネットでみなとみらいのインターコンチの予約を取りつつタクシー呼んで勇んで行ってみたら『これは明日の予約ですね、今日は満員です…』とすげなく断られ、笑われつつ慰められながらお隣の横浜ベイホテル東急に行くようなことも可能(実話です)なのだけれど、しかし一般的に言えば、横浜でデートなら、圧倒的に海側なのである。

そういうわけで本日は、海側のデートのオススメコースについて考えてみたい。

あまり早くから集まるのはやめよう。後半戦に息切れしてしまう。お昼ごはんをどこかで食べるところからはじめることにしよう。

 

【昼の案①】

特に秋ならば、横浜周辺に溢れるイベントに注目する手もある。

http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/hottopics/autumn_events/

毎週末、日本大通りから山下公園にかけては様々なイベントが開催されており、例えば今週末ならディワリ・イン・ヨコハマ

ディワリ・イン・ヨコハマ、横浜で開催される日本最大級の日本・インドの文化交流イベント

月末ならベトナムフェスタ

ベトナムフェスタin神奈川2016 公式サイト

食べ物も充実したイベントが多い。近年、都内だと代々木公園のタイフェスなどはうんざりするような混雑になるが、横浜ならそれほどでもない。デートに誘う口実にもなるし、まずはイベントを楽しんでそこでお昼も済ませて…というのも良いかもしれない。

食事をするだけでなく、さまざまなイベントや物販もやっているので、しっかり楽しむことができる。

 

【昼の案②】

あるいは、中華街から入る手もある。11月になればこのようなイベントもある

別にイベントにあわせなくてもいいのだけれど、とにかく問題になるのは店選び。最近はどこがどれか見分けのつかない食べ放題の店や、街角の甘栗売りや、肉まんの食べ歩きばかり増えて、なかなか店選びも難しい。高級店も良いが、アニバーサリーな家族連れが多かったりするとデート感も薄れる。そういうときに行きたい店選びに参考にしてほしいのがこちら 

横浜ほにゃらら日記:中華街のオススメ店 覚書 〜無難に二人メシを、そこそこ楽しく美味しくリーズナブルに食べたい場合〜 - livedoor Blog(ブログ)

ここに乗っている店ならばどこも、落ち着いてまともなものが食べられる。中で『杜記別館』は今は『新錦江』という店になっていて、最近少し雰囲気がガチャガチャしてしまったが。ほかにも、この方の記事はどれも信頼できる

横浜ほにゃらら日記:横浜中華街 - livedoor Blog(ブログ)

実は横浜は中華街の中よりも、その周辺の伊勢佐木町周辺などにディープで面白い中華料理が溢れているのだが、今回の記事の主旨に外れるので紹介しない。

食後には、関帝廟などをぶらぶら散策しよう。中華食材の店やお茶の店を覗くのも楽しい。最近の中華街はとにかく人が多いので、ほどよいところで離脱したい。

 

【昼の案③】

ちょっと変わったものを変わった場所で食べたいなら、もちろんカップヌードルミュージアムで世界の麺類を楽しんでも良いのだが、その近所にも面白い場所がある。

港が見えるレストラン Port Terrace Cafe(ポート テラス カフェ)(3階) | JICA横浜 - JICA

JICAのビルの中にあるレストランは誰でも利用できて、海沿いにあって眺めもよく、リーズナブルに世界のメニューを楽しむことが出来る。ハラールのラムのソテーもあるし、フェジョアーダも本格的でおいしい。

JICAのビルの中には日本の移民の歴史を扱った資料館もあり、かつて南米に渡った人々の歴史に思いを馳せることができる。ここもとても興味深いところ。

 

【午後の案①】

遅めのお昼も済ませて、さてどこに行こうか。中華街や日本大通りあたりからはじめたなら、やはり山下公園に出てくるのではないか。定番だが氷川丸見学は悪くない。 

そのあとでも、是非見学して欲しい場所がホテルニューグランドの2階のロビー。重厚な雰囲気があって、マッカーサーもここに…と感慨に浸る

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そしてお茶をするなら是非ここで。『英一番館』は神奈川県民ホールの6階にあるレストランなのだが、昼間はカフェ営業をしている。空いていて、横浜の港が一望できて、落ち着いていてあまりやる気がなくて、落ち着く場所。雨の日の写真しかありませんが

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その後、氷川丸つながりで訪れてほしいのが、日本郵船歴史博物館。日本郵船の歴史…ということはすなわち日本の開国と海運と戦争の歴史そのものであり、豪華客船の旅に思いを馳せ、戦時徴用船の悲しい末路に涙する。閉館時間が比較的早いので、ここまで行くのはちょっと無理があるかもしれないが。

ちなみに、氷川丸日本郵船歴史博物館のチケットが欲しいというかたにはお譲りしますので、はてなブックマークなどで欲しいと言って見てください。

 

【午後の案②】

JICAのレストランからスタートすると、みなとみらい方面への足の便が良い。ここは横浜美術館に行こう。企画展は好き嫌いがあるだろうけれど、この横浜美術館、首都圏の美術館の中でもコレクションの充実度がかなりのもの。コレクション展だけなら入館料も安いので、肩肘はらずに見て欲しい

美術館を出たら、美術館のカフェでお茶をしてもいいけれど、日本丸を見ながら少し歩いて、馬車道まで。旧第一銀行横浜支店だったビルをリノベした1階がカフェになっており、空いていて雰囲気が良い

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コーヒーでもいいけれど、お茶も信頼できる人が卸しているので、 紅茶や中国茶などを選んでいただくと良いと思う。

このあとは、案①の日本郵船歴史博物館などに行くのも良いが、やはりこれも、少し遅くなるのでもう閉まってしまっているかも。 

 

【午後の案③】

これは飛び道具になるのだけれど、面白いツアーがはじまったので紹介しておきたい。キリンビールの横浜工場は生麦にあるからだいぶん離れているのだが、最近になって桟橋が出来て、この10月から、象の鼻パークからの船で行くツアーが出るようになった。

体験プラン|【直行便】船で行くキリンビール横浜工場~工場見学も楽しめます~・神奈川チカタビ

横浜に来るならばやはり海を見なければ!であり、水上バスもオススメだけれど、これならば適度な長さの船旅、海からの横浜の風景、最近流行のオトナの社会科見学、おいしいビールの試飲、といっぺんに楽しめる。14:35に象の鼻を出て、18:00くらいに戻ってくるので、時間的にもちょうど良い。

ちょっと変わった体験をしたい方にオススメしておきたい。事前に予約はしっかりと。

 

【夕方~夜の案①】

夕方、日が沈む。夕焼けはもちろん、大さん橋から見よう。そしてそのあとは、大さん橋のたもと、象の鼻パークの目の前レトロビルにあるこちらをオススメ。窓の外に横浜の港が見えて、静かで雰囲気がよく、味も保障する。予約はしていこう

フランス料理(フレンチ)は横浜関内のアクアオリビン | フランス料理(フレンチ)は横浜関内のアクアオリビンにお任せ下さい。ランチ、ディナー、ワインなどございます。

晩飯を済ませたら象の鼻から赤レンガ倉庫あたりを少し腹ごなしに散策しよう

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その後、静かなバーで…もいいのだけれど、 ちょっと面白い場所がある。BankART Studio NYK日本郵船の倉庫を活用したアートスペースなのだけれど、夜はpub営業をやっており、大変に雰囲気が良いのである。そして空いている。屋内でも良いし、外からも良い

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 しばらく、海を見ながらのんびりしたい

  

【夕方~夜の案②】

元町で夕食にする案もある。たとえば今月末であればこのようなイベントがあり、各店が腕をふるう本格的な味を楽しむことが出来る。

元町CSフードフェア|横浜元町クラフトマンシップストリート

お店選びなら、霧笛楼あたりだとお高くなりすぎてしまうので、ガッツリフレンチのこちらはおすすめ。味は保障する。人気店なので予約は必須。肉好きならぜひ 

ここから歩くとちょっと距離があるけれど、ちょうど良い腹ごなしに山下公園を歩いて夜景を見ながらお散歩して、案①のBankART Studio NYKあたりに行っても良いかもしれない。そこまで行かなくても、夜の山下公園は是非お散歩して欲しい。

 

【夕方~夜の案③】

これは夏だけの選択肢だけれど、元町公園プールという手がある。元町公園プール、たんに市民プールなのだが、ここは素晴らしい。昼もカップルから若いお嬢さんからヤクザからおっさんまで人種の坩堝のようなところだが、夜がまた良いのだ。

ナイター営業時間になると、元町商店街から一歩入っただけの場所なのに、静かな森に囲まれて涼しげな風が吹き、照明に照らされた50mのプールには人も少なく、近所の高級アパートメントからやってきた外国人の親子もいたりして、ここは南国のリゾートか?という素晴らしい場所になるのだ。 これが1時間300円。花火の日には花火見物の穴場にもなる

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 女性をプールに誘うのは、そのあとの身支度なども考えるとハードルが高くなるので、相手は選ぶけれど。そしてその後、良いお店に誘うのも厳しいので、プールの目の前にあるこの店で夕食にしよう。雰囲気の良いカフェで、本格的なバイミーを楽しめる。

バイ ミー スタンド (BUY ME STAND) - 元町・中華街/サンドイッチ [食べログ]

このブログも参考になります

 

【さて、ホテルだが】

横浜でよいホテル…というと、みなとみらいの海に突き出た帆船、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル、あるいは、ランドマークタワー横浜ロイヤルパークホテルが思い浮かぶだろう。

この2つも勿論良いのだけれど、なにぶん知名度が高く、価格も強気になっている。それならば、間にある横浜ベイホテル東急はどうだろうか。このホテル、エグゼクティブ以上の部屋ならバルコニーがあり、バルコニーから観覧車や、横浜の夜景を間近に眺めることができる。ラックレートは高いが一休.comなどで見れば比較的安めに出ていることが多いので、遅めのチェックインのベイビューの部屋を狙ってみてはいかがだろうか。

あるいはもちろん、山下公園前の歴史あるホテルニューグランドという手もあるし、昨年オープンした、馬車道にほど近いこのホテルもなかなかお洒落で良いところで比較的リーズナブルなので、良いのでは無いだろうか。 

HOTEL EDIT YOKOHAMA ホテル エディット 横濱

もちろん、横浜のカップルならホテル赤い靴(ラブホテル)だろ!というなら、お好みでどうぞ。

 

【そんなわけで】

ここに書いたのはほんの一例、思いつきなので、いろいろ抜け漏れもあると思う。お買い物をあまり入れていないので、必要に応じて適宜入れて欲しいのだが、最近の横浜の海側は混雑しており、みなとみらいにしても、赤レンガ倉庫などにしても、ストレスがあるかもしれない。

今回は比較的空いていて、かつ、他所から来た人でもなるべく横浜らしさを感じやすい場所を選んでみた。

食べ物関連のイベント以外でも、横浜は秋から冬にかけて様々なイベントをやっているし、普段は入れない施設に入れるタイミングなどの情報も是非参考にしていただき、デートをお楽しみいただきたい。横浜のイベント情報はTwitterのこのアカウントが参考になるだろう

はてなブログで(海側の情報源として)信頼の置ける横浜情報としては、こんなところもある 

 以前書いた横浜の記事も、何か参考にさると幸いです。

 

今回は海側の情報を書いたけれど、山側編についても、そのうち書きたいと思う。