日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

十和田市現代美術館と桜と蔦温泉

カウンター百景というテーマでコラムを書かせていただいている『はま太郎』を出版するお二人が、編集長が青森出身ということで、青森を紹介する本を、去年、出した 

めご太郎

めご太郎

 

 この本が青森でなかなかウケていて、青森の有名な書店、成田本店でトークショーが開かれることとなった。んで、自分たちはそれを見に行くよ!と理屈をつけて、青森に遊びに行くことにしたのです。

折角青森に行くので、十和田市現代美術館も行きたい、温泉も泊まりたい、青森県立美術館も行きたい、弘前で桜も見られたらなあ、と欲張りな展開になり、2泊3日での旅立ちは羽田空港。空港でコンビニおにぎりを食べて、7時40分の便で三沢空港へ。自衛隊や米軍の基地がメインで、民間空港は間借りみたいなとこですよね

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ゲートを出ると、ああ、米軍関係者一杯来るんだなー、というチラシが

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空港からは9時55分のバスで三沢駅。実はこのルート、ちょうど10年くらい前も辿ってまして 

この時は、十和田観光電鉄線がまだ健在だったんですね。その後廃線になって代替のバス路線が走っているけれど、三沢駅の素敵な雰囲気の駅舎は健在

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中の雰囲気も大変良い。今はえきそばが一軒営業中なのと、バスの案内所があるのみ

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2階には昔は食堂があったんだろうな

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バスを待つ間の30分間、ここでつばめが出入りするのを見ながらのんびり。蕎麦とこんにゃくもいただきました。気のいい感じのおっちゃんが、朝から酒飲みながらカウンターでご機嫌になっていた

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しかしてこの素敵なターミナル、JR三沢駅前再整備に伴って今年いっぱいで取り壊しだそうです。行くならいまだぞ。

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10時45分のバスに乗り、十和田市へ。十和田市現代美術館のある官公庁通りは、桜が満開!

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あとから聞いたところによれば前日まではそれほど…だったらしく、ここ数日の暖かさで一気に開花したみたい。よいタイミングでこられた

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美術館の前にある草間彌生のかぼちゃとかは、10年前のオープンしたてに来た時は無かったんだよね

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んで、殺風景な通りに美術館だけポツンと作ってどうするんだ、みたいな辛辣な感想を述べてしまったわけですが、その後、周辺もちゃんと整備されて、きちんと観光名所になっていて、不明を恥じるばかりであります。

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十和田市現代美術館は最近になって常設が写真撮影可になっていて、まだ金曜日で空いている館内で遊んだのでした

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屋上に上がると…

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ま、まぶしい!この青い色、おひさまが照っていると、まともに目が明けられないほど眩しい。それを狙った色なのかな。遠くに雪をかぶった八甲田連山が見えていた。

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天井の高いカフェでりんごのジェラートを美味しく食べまして

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お昼だ、お昼ご飯を食べよう。美術館に置かれたチラシにお昼ご飯の店がいろいろ書かれていたけれど、その中から、美術館から歩いて5分とかからないこちらへ

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名物B級グルメバラ焼き『十和田バラ焼きゼミナール』

これ、三沢で米軍が牛肉の赤身を大量消費することで、バラ肉とか内臓が安く手に入る…ことに由来するB級グルメだそうで。頼むと鉄板に玉ねぎとバラ肉が載せられてくる

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店員さんの指導の下、最初はタマネギを流れるプールのように焼いて、許可が下りたところでバラ肉も一緒に混ぜ混ぜして焼き、美味しそうに仕上がりました

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甘めのタレがよくからんだ肉とタマネギが飯泥棒なのでした。この店、”バラ”焼きという名前からの連想でベルばら、フランス、で、なぜか入店時のあいさつが”ボンジュール!”だったり、店員さんの言葉遣いに謎のリズム感や接客の謎の距離の詰め方があったりして、不思議なお店だった。

腹くちくなった後はバスを待つ間、官公庁通りをぶらぶら、さくら案内所で、無理矢理馬の被り物をさせられたりなどしておりまして

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市役所の展望台から桜を眺めて

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まだ満開になりはじめたばかりだから、ゴールデンウィークの前半くらいは持つといいなあ…

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14時30分過ぎのバスに乗る。さて、これからバスに乗って蔦温泉に行きたいんだけれど、そこまでバスは行ってくれない。正確に言えば路線はあるんだけれど、今日まで冬期運休中なのである。4月21日から運航再開されるんですね。

で、仕方ないので途中の十和田湖温泉郷までバスに乗り、そこからは宿の人の車で送迎してもらいまして

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やってきましたはじめての蔦温泉

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この宿自体、宿泊営業は冬季は休業となっており、営業再開されたのは本日から。再開初日のきれいなお宿

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大正7年に建てられた本館の建物は、古いけれどよく手が行き届いていて、磨かれている。2年くらい前に大改装を終えたばかり

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建築当時をなるべく活かしているので、改装したとはいえ部屋にはトイレが無いけれど、共同のトイレなどは非常によく整備されておりまして、気持ちよく過ごせるのだった。

宿の周囲は遊歩道が整備されいるけれど、ここは歩けるようになるのは連休明けてからみたいだな

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宿の庭のあたりをぶらぶらしてから、さて、風呂に入ろう。ここの宿、特筆すべきはやはり風呂である。温泉の噴出点の真上に浴槽が作られ、二重底になったブナ材の隙間から湧き出る湯が新鮮でやわらかい。

そのやわらかい、いつまでも入れそうなお湯に、天井の高い、余計なものが無い重厚な造りの浴室でゆっくりとつかり、のぼせてきたら、ざばざばと湯がこぼれる板敷に寝っ転がる。高い天井を見上げる。とくに何も考えず、湯に身を任せてたゆたうのみ…ああ…極楽…

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のんびりくっくり浸かってから、ばんごはん

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とにかく、土地の美味ばかりが出てくる夕飯が嬉しい。鮭のいずしとか、烏賊の三升漬けとか、酒が進むよ。山菜も美味いなあ…

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刺身は、十和田湖ニジマスに、陸奥湾のほたてに平目。うう、とろとろ、うまい

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立派なイワナとか

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鮫頭なますとか

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ホタテの入った豆乳の味噌焼きとか

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どれもこれも、お酒に合わせて堪能したのでした。お腹いっぱいになるけれど、無茶に膨れる感じでない量が良い。宿泊客はやはり、かなり平均年齢層高かったかな。

夜もまた温泉に入り、お布団で、ゆっくり、おやすみなさい…

在華坊(@zaikabou)/2018年04月20日 - Twilog