日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

ラーメンという宗教

菊名で乗り換えて東横線綱島。晩飯を食いに、去年潰れたラーメン屋の跡地にできた「中華食堂 上海デラックス」という店にはじめて入る。店に入ると、客がひとりもいない。非常に嫌な予感がする。とんでもなく不味いのか、不相応に高いのか。
しかし、650円也の酢豚定食を注文すると、黒酢の酢豚は味付けがなかなかしっかりしているし、容赦無く酸っぱいし、悪くない。ごはんとスープがついてくる。これで650円なら良いコストパフォーマンスと言えるのではないだろうか。サービスについても、マニュアルに書いてあること以外、何も言う気もする気も毛ほどもござらん、というオーラを全身に漲らせている店員がいっそ潔いし。それにしては客がついていない。
思うに、「定食650円」という価格が誰にも訴えてないのかもしれない。ラーメンなら700円でも出すのだが、ご飯ものは牛丼やカレーやらの系統で考えて、「650円、高いよ」になっている気がする。改めて思うに、一杯700円〜800円を躊躇無く払わせるラーメンの勝ち組っぷりは特筆ものだ。
この店も、そのあたりのところを認識してか、店の前に出している看板はラーメンとセットの値段しか謳っていないのだが、ラーメン専門店的なこだわりが出ていない店構えでラーメンを謳っても厳しいのではないか。600円、650円でわりと本格的な中華が食える、とは一言も謳っていない。中華料理も訴えているが、写真が到底美味そうには見えない。店構えからはバーミヤンを劣化させたような印象しか受けないのだが、値段はバーミヤンより高そう、では客は入らないと思う。