日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

横浜トリエンナーレ2005


そんなわけで、お待ちかね、横浜トリエンナーレ2005である。山下公園脇の入り口で3500円也のフリーパスを購入、これで会期中は何度でも入れる。ビュランプロムナード
を通り過ぎると、いよいよ会場、まさしく倉庫。倉庫以外の何物でもない。以下、まとまらないので、箇条書きで書かせていただく。
●どこかにも書いてあったけれど、まさに「文化祭」「学園祭」の雰囲気。作品の裏ではまだ作品製作が行われていたり、裏のスタッフルームがよく見えたり、スタッフ(ボランティア)の人たちが作品の解説をレクチャーされていたり、とにかく会場構成がベニヤやら鉄骨やらむき出しだったり。ディレクターの川俣正さんの作品がそういうものである、ということをある程度知らないと、「なんじゃこりゃ」という第一印象を抱くはず。
●それでも、奈良美智の作品や高嶺格の作品など、当初未完成だった作品も、週末あわせで完成していた。とりあえず、完全に製作中、の作品は無い模様。
●とにかく会場全体が「製作中」「工事現場」の雰囲気。あと、会場を掃除している人が散見されたのだが、会場の雰囲気に押されて、掃除自体がなにかのパフォーマンス、インスタレーションなのかな?と思ってしまう。(実際には、完成したばかりの奈良美智の作品の掃除とか、ひっくり返してしまったグラスの片付けだったのだが)
●んで、全体として雰囲気がぐだぐだっぽいので、「会場内写真撮影禁止」がまったく守られていない雰囲気。スタッフ(ボランティア?)も頼りない感じがするし、大丈夫かなー。
●作品を鑑賞している人の気などおかまいなし、と言う感じで、場内放送がガンガンかかる。これも演出の一種なんだろうか。
●2001年の横浜トリエンナーレに比べると、一回入ってみて「美術展を見たなー」って満足度は落ちると思う。それでも、全体の雰囲気は色々と面白い(一貫性がある)し、考えさせるものがあるし、なにより倉庫と言う場所が良い。
●「静寂が訪れると灯りが燈る」という、所謂「天使が通る」を体験する作品があるのだが、隣の中国の作品がうるさくて、もしかしたら、会期中、一切灯りが燈ることがないかもしれない。なんだか政治的な寓意なのか?
●上記を含め、作品間の仕切りが明確でないため、意図しない干渉をし合っている作品が多い。喧嘩しちゃってる。そのあたりも含めて今回のテーゼが示されているのか?予期しない自体に怒っている作家もいるかも…。
●寛いでいってください、な雰囲気の「ソイ・プロジェクト」の作品とか、会場内にカジノみたいなものを作ってしまった「キュレーターマン」とか、タイの人の作品が猥雑で会場の雰囲気に合っていて面白い。
●「タニシK」という人、架空の航空会社のフライトアテンダントになって、通勤路線でお茶配ったりする、というパフォーマンスをしている人なのだが。実は大分前に開場前の開場を訪れた際に見た、カートに乗って「本会場まで行かれます?」と聞いてきた怪しい人が本人だったのだ、と知ってびっくり。あの時、「そうです」と答えたらカートに乗せてくれたのかしら。惜しいことをした。

ここに立っていたら、会場方面から電動カートに乗った警備員…だと思う、ミニスカポリスのなりそこないみたいな格好をしたおねえちゃんがやってきて「本会場まで行かれます?」と聞くのであわてて否定してなんか謝ってしまった。
http://d.hatena.ne.jp/zaikabou/20050911#1126429228

高嶺格という人の作品が、一番完成度が高い(というか、ちゃんとしている)印象。暗闇の中を階段を上っていって、万博のパビリオンみたいな一種のショーを見る作品。もう一度じっくり見てみよう。夕方に再訪したときには、行列が出来ていた。
●駆け足で見て廻ったら2時間ぐらいだったが、一回でしっかり見ようと思うと、やっぱり3時間ぐらいかかるかしら。食べ物は割合安く提供されて居るので、のんびり見るのがいい感じ。横浜やベイブリッジの景色も綺麗だし。とにかく、居心地は良い。
●カタログの川俣正の文はなかなか読ませた。あと、会期終了後、カタログの第二弾を出すらしい。それだけ、会期中にいろんな変化がある(あるいは、変化や展開を期待している)ということなのだろう。
●スタンプラリーでスタンプが5個集まったので、Tシャツを貰った。かわいい。

●本会場は入り口から700mほど離れているので、帰りは無料の送迎バスに乗った。平日は15分感覚、休日はその倍運転している。