日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

ICC『コネクティング・ワールド』

ついでに、ICCで開催中の、再開後初めての有料展示会も。このチケットも金券ショップで買ったのだった。
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2006/ConnectingWorld/index_j.html
うふふ、これはですねえ。面白いですよ。ネットにあったら、あっという間に『これはすごい』『ネタ』タグがついて、ブクマが100以上集まりそうな素敵なネタばかりですよ。
まず目を惹かれるのが『事の次第』という映像作品。要するにピタゴラ装置の映像なのだが、延々30分間連鎖し続ける。で、この連鎖ってのが、ピタゴラ装置のような「かわいさ」が微塵も無い。とにかくやってることが荒っぽい。計画は綿密なはずなのに。
割れる風船!飛び散る油!燃え盛る炎!転がるタイヤ!噴出す花火!溢れる煙!うねる炎!注ぐ油!倒れる机!溶ける角砂糖!拡がる炎!走るヤカン!崩れる家具!噴出す油!暴れる炎!炎!炎!どんだけ火が好きなんだ!
物凄く緻密に計算されて並べられたもののはずなのに、物凄く荒っぽくて、ピタゴラ装置ダークサイド、って感じ(こっちのほうがはるかに古いんですけどね)。あんまりな乱暴さに、見続けているとだんだん笑いがこみ上げてきて、げらげら笑いながら見ていた。
http://inner-dog.no-blog.jp/inner_dogs/2006/04/post_224f.html
こちらに情報が。googlevideoからは無くなっちゃったみたい。残念。DVDは出てるんですね。

Way Things Go [DVD] [Import]

Way Things Go [DVD] [Import]

リージョンコードがアレだけど。
エキソニモの『OBJECT B』。パソコンで操作するガンシューティングみたいなゲームなのだが、立方体の4面がスクリーンになっていて、1つだけ人間の操作用、残りの3つは機械用。この機械ってのがふざけていて、ガラガラガラガラ馬鹿みたいに音を立てながら廻る工具箱の蓋に煽られてドライバーがばちゃばちゃとキーボードを乱暴に滅茶苦茶に打っていたり、振動する台の上でマウスがてんでばらばらに動いていたり、それで操作しているわけで。無意味に馬鹿でかい音を出す装置が無意味に操作しているのを眺めていると、これも笑いがこみ上げてくる。牛島達治に通じる世界。
『un_wiki』という作品は、Wikipediaから削除された文言を拾ってきて、順番に表示されるスクリプト。画面にずらずらと文字列の断片が出てくるのだが、『あの及川奈央は反則です』って、どんな及川奈央だったのだろうか。
『goo検索キーワードストリーミング』は、gooで検索された文字列をリアルタイムにひたすら表示するのだが、アダルト系の単語がまったくなかった。どうやって排除しているのだろう。あるいは、なにかのデータベースに登録されている単語しか拾っていないのだろうか。涼宮ハルヒは出てきたが。
『GWEI-Google Will Eat Itself』は、Google AdSenceを利用してサイトに広告を埋め込み、そこからの収入でGoogleの株を自動的に買い続けるプログラム。『Googleが自らを食べ尽くす、という自己言及的なループが展開されます』だそうだが、うーむ。
この展覧会、創造的コミュニケーションに向けて、という副題がついているんだけど、これが創造的コミュニケーションなのかどうかはイマイチ不明であるけれども、とにかく面白いことは確か。お好きな方はどーぞ。無料の展示スペースのほうにも相変わらずアホらしい(誉めてます)メディアアートが山盛りだった。