日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

仕事が終わって

思いのほか仕事が早く済み、午前中に開放される。一睡もしていないけれども、まだまだ元気だなあ、どこに行こうかなあ、と思いつつ電車に乗ったのだけれど、緊張感が途切れてどっと疲れが出たのだろうか、車内でやはり泥のように眠り、もう秋葉原。総武線で水道橋に出ると、おばちゃんがいっぱい。何事やあらん、と驚愕していると、東京ドームで『世界らん展』が開かれていると知り納得する。
前々から仄聞する『らん展』のババアホイホイっぷり…あ、いやいや、年配の女性に覚え目出度き儀についてはよく耳にするところなれど、よくもまあ、というほど、同じくらいの年齢と見た目のおばちゃんばかりが、ぞろぞろぞろぞろと東京ドームに向かって行ったのだった。いろいろと思うところはあったのだが、詳しくはナンシー関の『信仰の現場』を読んでいただきたい。私の謂わんとするニュアンスは網羅されている。
白山通りを下り、久しぶりに奥野かるたを覗いたりしつつ、さあランチョンでボークソテーとビール…と思っていたのだが、その前に「いもや」に捕まってしまった。神保町はトラップが多くて困る。久しぶりの天丼500円。いか、きす、えび、のり。500円でこれだけのものが出せるのは立派なもんです、美味。
腹ごなしに岩波ブックセンターとか高岡書店とかいろいろうろうろした後に、やっぱりランチョンへ。この店の雰囲気は、しかし、タイムスリップしたような不思議さを何時までも湛えており、店員さんも客も神保町の街柄以上に不思議だ。昼から飲んでる堅気とは言い難そうな(もちろん、極道方面ではない。大学教員とか自由業とかそういう系譜。堅気は堅気なのだが)人たちに混じって、美女が一人で昼飯を食っていたりする。
階段を上がったすぐ脇に陣取って、店内を見渡し、燦々とした陽光を浴びてポカポカうつらうつらしながら、ビールと…ランチはメンチカツだというので、これにしておこうかな。

月曜日の昼日中から、スーツを着てビールなど飲んでいると、とてもふわふわと幸せな気分になってくるのだった。
さてこれからどうしよう、と考える。もう一軒はしご、とも考えたが、胃袋がそんなに受け付けそうに無い。福田和也にはなれぬ(ならなくて結構だが)。荷物は重いしもう疲れたので帰ることにして、しかし家で寝ても暗いので、こんなに天気のいい日なのにそれは勿体無いので、六本木まで地下鉄で出て、ビル群から東京湾まで一望する眺めの良いソファに陣取って明るい日の中でうつらうつらとうたたねしてみた。これは大変に気持ちよかった。そのまま、夕方には帰宅。家でビールにワイン。