日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

まずはオペラシティへ

なんだか、本日の題名はヴィム・ヴェンダースの映画のタイトルみたいだ、というのは置いておいて、6時半に起床。夕べは控えめに飲んだのでまったく残らず。
10時前に出かけて、渋谷から京王バスでオペラシティーへ。ICCも覗いたが、夏休み子供向け企画を実施中で、他の内容は以前の訪問時とほとんど変わらず。ショップで『事の次第』のDVDを勢いで買ってしまう。ヴェンダースの映画じゃなくて、暴力的なピタゴラスイッチです。

事の次第 [DVD]

事の次第 [DVD]

http://d.hatena.ne.jp/zaikabou/20061022/1161524791
で、本日の主な目的は、東京オペラシティアートギャラリーの『メルティング・ポイント』。ジム・ランビーと、渋谷清道と、エルネスト・ネトの三人展。エルネスト・ネトの『それは地平で起きるできごと、庭』は、広い空間に、上下二層に張られたライクラ(ストレッチ素材)。その間を、同じ素材の太さが様々なトンネルが、まるで宇宙空間を繋ぐワームホールのように繋ぐ。視線の高さの上下で拡がる白いなまめかしい曲線が眼を惹き、ところどころに穿たれた穴から穴へと、平面の下を潜りながら顔を出し、不思議な空間に身をおく、という構図。一人でも良いのだけれど、何人かいると、顔を出す人、潜って這うように移動する人、混沌として面白い。そして白い平面がとてもなまめかしくて美しい。
他は。渋谷清道のは、靴を脱いで上がるんだけれど、ビニール袋に靴を入れるので、動くたびにガサガサ音がしてちょっと興ざめだった。せっかく、白い静かな空間なのに。ジム・ラムビーは、あー、まあ。
コレクション展の『いのちの宿るところ』は、コレクションしている日本画、それに類するところをとりあえず集めて企画してみました、という感じではあったけれど、奥山民枝のが良い。軟らかく細かい毛に包まれたような、いや、よくよく見ると、生命の混沌の海の中からボコボコと湧き出すように新しい命が生まれてきているような、或いは風の谷のナウシカに出てくる意思を帯びた粘菌のような、凶暴なくらいな生命力に溢れた素敵な絵だった。欲しい。
若手作家の紹介、今回は『田尾創樹』。なんだろう、これは!よっくわからないけれど、見てるとわくわくするぞ。私、説明する術を持ちませんが、見てみる価値はあるかと。大竹伸朗的な、という言い方をしては両方に失礼だろうけれど、なんかそんな感じ。