日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

科学技術館と国立近代美術館へ

相変わらず、6時前に目が覚めて。連休後を安らかに迎えるために、家で仕事など。朝飯にトースト、昼飯にそうめんを茹でて食す。
2時ごろにちょっと出掛けて、九段下へ。科学技術館へ行こうとしていたら、武道館周辺が妙にざわざわしていて、はて、なんじゃいな。日本テレビ24時間テレビの会場であるらしい。善意の塊のような方々が徘徊する中を、意味も無く不機嫌になりながら歩く。募金するためだけにそんなに行列するって、なんなんだ一体。
久しぶりの科学技術館へ。目的は、これ
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1069
山口晃の作品が見れる、ということで、ちょっとやってきてみた。5階まで上がって、ゲノムの展示スペースに、ありましたよ。



小学生にゲノムについて説明しますよ、という漫画なのだけれど。本当に気合の入りすぎた、なんでそこまで、みたいな作品で、ワクワクニヤニヤしながら一気に見る。作品以外に、ディティールに関わる設定資料のようなもの、武者絵みたいなもの、いろんなガジェットがこれでもか、と詰め込まれていて、本当に楽しめますよ、これは。

ファンの方は、本当に、是非。ところで科学技術館、久しぶりに来てみて、ぜんぜん変わっちゃいないな。とにかく、津波のごとき小学生が、押せる物があれば押す、廻せるものがあれば廻す、踏めるものがあれば踏む、登れるものがあれば登る、縦横無尽に駆け回っていた。日本はまだ安泰だ。ほいでもって、親子連れにまじって、何故か妙齢のカップルがチラホラ。流行のおされなデートスポットなのですか?
科学技術館を出て、国立近代美術館へ。本日は常設展と、『崩壊感覚』の小企画展。
http://www.momat.go.jp/Honkan/permanent20070818.html
http://www.momat.go.jp/Honkan/The_Sense_of_Collapse/index.html
私が絵を描ける人を尊敬するのは。目で見たこと、心で感じたこと、それを自分のなかで、自分のコトバでキッチリと再構成してアウトプットできるからでなのであり。そして、そのような再構成が、今まで私が見ていなかった新しい視点、驚きを与えてくれるとき、絵を見ることが感動になる。目で見ていても、それの何を見ているのか、どう見えているのか、それはその人にしかわからないことで、そのわからないこと、その人にとっての何か、をきちんと表現してくれる絵を見ることは喜びになる。
さて。そしてふと、私の『萌え』という感覚について内省するとき、それはたしかに『再構築』のドンピシャの喜びであるのだけれど、優れた芸術作品に出会ったときの喜び、驚きと比べると、『萌え』というのは、あくまでも内部に抱えるリビドーの具現化、それを見たかったのだ、私はそれを見ていたのだ、というあらかじめ内にあるものの具象化に過ぎないのではないか、と思う。素敵な芸術作品に出会ったときの、これまでとは別の世界を見せてくれる開放感。『萌え』はそれとは別の、現存する世界への耽溺でしかないのかもしれないと、最近、思う。
だから、つまり私の場合、二次元の美少女に対する『萌え』に留まらせようとするその定義に対して抗っていろいろな対象に対する『萌え』に思いを馳せるのだけれども、結局のところ、それは自身のリビドー、性衝動に近いものとの合致という意味合いにおいて通底しているのではないかな、と、最近、思う。勿論、これは私にとっての定義問題であって、人にとってどうであるか、ってのはまだ別のところなのだろうけれど。
さて、そんなわけで。国立近代美術館の常設展は、たまたま、私の感受性が活発になっているときに出会うから、なのだろうか?その『驚き』『喜び』、つまり『萌え』ではない新鮮な感動を呼び覚ます作品に出会う確率がすごく、高い、ような気がするのであり。今回の常設展、そして、『崩壊感覚』も、そんな素敵な作品が沢山あったのだった。それにしても、毎回思うけど、萬鉄五郎の『裸体美人』は本当にいいですよねえ。
会場を出て、皇居の周りをぶらぶら歩く。外国人が多い。ジョギングする人がものすごく多い。夕方なのに。
日比谷公園に行ったら、盆踊りを開催中。

しばらく待っていると橋幸夫が出てくるらしいので、おおっ、と思ったが、そんなに長居するつもりもないので。お酒を少々いただき、記念の手ぬぐいを購入して去る。

内幸町から電車に乗って、帰宅して、あしたの準備で販促物などを作成。テレビを何気なく見ていたら、蛭子さんが高樹沙耶につれられて大島にダイビングに行く、という番組をやっていた。なんて無茶な企画。高樹沙耶に『なんでダイビングはじめたの?』と聞いた蛭子さん、高樹沙耶は『イルカと一緒に泳いで云々…』とか答えてたけど、蛭子さんはきっと、イルカは食べ物としか思ってないよ!
それから、MXテレビをなんとなく見ていたら、石原慎太郎猪瀬直樹の対談をやっていて腰を抜かす。都知事と副知事、何を話しているかと思えば、センチュリーハイアットのバーに優雅に座って文学談義ですよ。太宰がどうした、とかやってる。なんか、意味も無くドキドキしつつ、しかしこれは素敵な特殊エンターテイメントだな、とワクテカと眺めていた。