日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

小沢昭一“随談”

朝方、ちょっと雲行きが怪しい感じではあったけれど、久しぶりに自転車通勤。お仕事、昼飯にタンメン。定時ごろに電話がかかってきてやきもきしたけれど、上がってまた自転車で…無灯火の自転車が本当に多いなあ。そして無灯火で車道を逆走する自転車は本当に死にたいとしか思えない。
安全運転で神奈川県民ホールの小さいほうの会場に到着したのは18時40分、なんとか開演10分過ぎだ。本日の会はこんな感じ
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1033579
ネット上にまったく情報が無いところが微苦笑ではあるんだけれど、とにかく、小沢昭一の独演会。『随談』と言うと、私はこの末廣亭

小沢昭一的新宿末廣亭十夜

小沢昭一的新宿末廣亭十夜

に行きそびれたのが、かなりの痛恨事なのですよ…。今回は神奈川県民ホールでの開催と言うことで、内容的にどのようなものか、さっぱりわからないものの、とにかく行ってみよう、と。小沢さんは中学高校大学の先輩であり、大学の所属サークルの創設者でもあるわけで、一方的ながら強烈にシンパシーを抱いているわけでして…。
前半は見台の前に座って羽織袴、後半はスーツで立ってハーモニカを交えながら。アンチョコをめくりつつ、とにかく語る歌う歌う語る歌う歌う。よく歌う。81歳、一時期元気が無いかなあ、と思っていた時期もあったけれど、今は肌艶もよく、声に張りがあって、なんとも艶気のある良い声でなあ。時々、川柳に似ているな、と思うのだけれど(笑)
本当に器用な人だなあ、と思う。普通なら器用貧乏になってしまいかねないところ、いちいち器用の度合いが芸になっていて、素晴らしい。そしてボケ芸というか、ジジイ芸にますますかかる磨き。単なるノスタルジーになりかねないところ、踏みとどまる加減が素晴らしいのです。惹き込んでおいて、スッと引くタイミングが絶妙。話芸ですよね。
だから、なんだろう、その“器用さ”が、あるいは小林信彦が『日本の喜劇人』で違和感を表明したところの“それはそれとして”に凝縮されているような気もするのでありまして(と、小沢昭一風に)
堪能して自転車で帰宅、土曜日に作った野菜の蒸し物、最後のあまりなどで晩飯にします。お供は、帰宅途中に横浜スタジアムの前の酒屋で買った、獺祭 無濾過純米大吟醸50 槽場汲み で。このクオリティのものが、4合瓶で1470円で買えるんですからねえ…。最初の日本酒との出会いがこういうものなら、日本酒離れもあまり起きないだろうに。