目覚めて6時、おはようございます!…もうちょっと寝かせて…。ふかふかの布団から離れたくない…。で、また起きたら7時40分、ちょっと急がねば。会計を済まそうと諭吉さんを出したら、最近お客がいなくてお釣りが無いのです、と。なんとか1000円札5枚あったので支払うことが出来たけれど、大丈夫だろうか。確かに他に泊まっている気配が無し。だから、部屋も妙に良い部屋だったのね…。今日は予約が入っているんだけど、あら、入って無かったかな…などとブツブツ呟く主人に礼を言って宿を出て、おや、雨だ。駅まで歩こうかな。お宿の外観はこんな感じ
iPhoneのgooglemapさんにルートを訊ねてみれば、2.4km29分とか、信号待ちも何も無視してアベレージ5km/hを要求するgooglemapさん、ほんとうに鬼畜でドS…。なんだか立派な建物
橋を渡って早歩きに歩き、なあに負けはせん、面白看板を撮影する時間もありつつで
25分少々で駅まで到着したぞ。切符を買って、8時34分発、秋田行きのいなほの乗り場6番線に急ぐと…
なんとびっくり、自由席は満席、しかもデッキと通路にも人が溢れている。そうか、ゴールデンウィークで庄内に向かう人に加えて、今日から東北新幹線が全線再開したとは言え、新潟周りで秋田までの乗車券を先に手にしていた人も多かろう…。通路に立ち、満員の乗客を乗せていなほは駅を出る。朝ごはんは新潟駅ビルの和菓子屋『さかたや』で買ったおにぎりが大変おいしい!特に筋子!この飯泥棒め…。羽越線は鮭タウン村上を過ぎると景色が本気を出して来て、トンネルを入っては出て、そして拡がる波の荒い日本海の風景が素晴らしい。若干しゃがみ気味で、窓の外を眺めていた。おおよそ2時間、鶴岡でかなり降りてやっと座れて、しばらくして酒田。酒田と鶴岡はどっちが栄えているんでしょう、今は。酒田下車。
駅前に降り立ってみれば、あらら、駅前一等地が更地だ
なんだか、訪れる度に寂しくなっとりゃせんか、酒田は…。商店街の目抜き通りを歩く人とて無し
震災の影響ももちろんあるのだろうけれど、それ以前からなあ、酒田は…。やはり大火の影響は大きいのだろうかな。まあとにかく、私の目的は昼飯に寿司を食うことなのですよ。素敵なスナック建築を眺めつつ
目的地はこちらでございます
寿司割烹 鈴政 (すしかっぽう すずまさ) - 酒田/寿司 [食べログ]
あれー、この店も『たべぞう』だと出てこないよー。はてなの中の人!まあともかく、この寿司屋はハタチくらいの時、銀山温泉のついでに酒田に泊まり、はじめてカウンターでお寿司をして(親が寿司屋に連れていくようなおうちの子じゃなかったもので…)感動。前回酒田を訪れた時もここで食べて、とにかく酒田に来るたびに行く寿司屋なのですよ…
東北旅行1日目 - 日毎に敵と懶惰に戦う
本日最初のお客、最初に出したメニューを引っ込めてゴールデンウィーク特別メニューを出してきたのは御愛嬌(種類を絞っているだけで、高くなっているわけでは無し)。特上2100円のお寿司とどんがら汁を頼んで、あ、そうだ、イマイチ酒が抜けて無い感じがするから、ビールもらおうかなビール!お通しも美味いなあ。そして寿司、寿司です。
本マグロの中トロ…大トロか、というようなトロがまず美味い、粗塩で地物のヒラメ、そして甘エビ!とろけるわあ…。うにがこれまた!穴子がねえ、この店は素材だけじゃなくていい仕事してるなあ、って思うんですよね…。それから、本マグロのヅケ、玉子にネギトロ巻き、あとなんかあって1人前。ちょっと追加…生のホッキ貝に焼きサバ。鯖の身の厚いことよ。ゴールデンウィークの客足が読めない、などと言っている間にも予約の電話が掛ってきており、人気店ですよね。本間病院の先生の席は空けておかないと…とか言っていたのが面白いですが。んー、もうちょっと…甘エビとうにと穴子おかわり!お腹いっぱい、至福でございました…
ぶらぶらと酒田駅まで、こんどは寺のおおいあたりを歩くと、桜は満開であり
東北の桜は美しい。寒さに耐えて、一気に花開くからだろうか。生命力の強さを感じるのです。満腹でたのしいお散歩、酒田からは秋田行きの普通列車に乗車、これは所謂走ルンです。
走ルンです - アンサイクロペディア
にかほのあたりで高台に風車を眺めたりしながらのんびりした列車の旅、それにしても高校生がやかましい…。秋田の高校生は全体的にやかましい(笑)羽後本荘から乗って来た白人女性は、ロンプラのKoreaを読み耽っている。羽後本荘、どこに行ったのかしら。隠れた観光地はいろいろあるのだろうか。目の前に座っている男は大変にいい男で…。眉毛が太くて役者みたいなはっきりした顔立。肌もきれい。体重をあと10kgくらい落として身なりに気を配ると、どっち方面にも大変なモテだろう。勿体ないなあ、だれかなんとかしてやれよ。余計なお世話ですが。私にとってのいい男ってのは、顔の大きい、昔の役者顔とかNHKのアナウンサー顔なんですよ…。米粒写経の居島一平さんは相当イイ男
そんな、まあ、どうでもいいことを考えているというのは走ルンです701系は乗っていると飽きるわけでありまして、うとうとしだすと秋田に到着。うわあ、秋田駅大きいなり…。そうだ、この日、秋田新幹線もようやく東京から直通できるようになったんですね、
駅ではなまはげがお出迎えしており、お、名物ババヘラも駅に出ているではありませんか。ちょっと寒いけどちょーだいな。
軽い感じで美味しい。とりあえず駅に荷物を預けて、都市規模からは首をひねるほどのスケールの巨大アーケードを抜けて街中へ。お城の堀端に出れば、ここも何だか過剰スケールだな
目的地は秋田県立美術館
うーん?秋田県立美術館なのか、平野政吉美術館なのか。
美術館は、1967年5月5日に財団法人平野政吉美術館によって公開された。そのうち601点は平野政吉個人による蒐集品から寄贈されたものであり、交友のあった藤田嗣治の作品を多く含んでいた。現在では藤田のコレクションとして最も充実している美術館のひとつである。
…
なお正式には、上述のとおり当美術館の登録名称は秋田県立美術館であり平野政吉美術館というのは上記財団法人の名称であるが、同財団の寄附行為においては秋田県立美術館において同財団の美術品を展示することが明記されており、実際上も当該財団が秋田県立美術館の指定管理者として管理をしているため、一般には秋田県民の創作発表のギャラリーとして使用されている美術ホールが秋田県立美術館で、展示室部分が平野政吉美術館と認識されている。
秋田県立美術館 平野政吉コレクション - Wikipedia
ということで、そもそもは平野政吉美術館として建てられた建物が、秋田県立美術館になった、ということで良いのかな?所謂秋田県立美術館は地元の公募展が行われているだけであり、ここにきて何か展示物を見ようとすると、平野政吉美術館になっちゃうんですね。平成24年に安藤忠雄設計で新美術館!とか書いてあるけれど、そっちになったらどうなるのかな…。まあ、というわけで、その平野さんちのほうへ。
ここの目玉は、藤田嗣治の超大作『秋田の行事』365cm × 2050cm!藤田と親交のある秋田の事業家平野政吉が、藤田を秋田に呼んで書かせたもの。群衆の描き方などに後の戦争画が感じられて、迫力のある面白い絵なんだけれど、平野政吉がきっちり描き込まれていたり、『行事』の一つが人々が平野家に正月のあいさつに訪れている場面だったり、その…(笑)また、北平の力士など、藤田作品のは面白いものが結構あった。ただ保存状態があまり良くないのか、照明の問題なのか、見え方がイマイチのような気はしたが…。美術館の入口には藤田先生がいますよ
で、ね。その他のコレクションなんだけれど、ゴヤの版画はまあ、良い。ただ、あとは、スペインの工房作量産品的な作者不詳の宗教画(状態極めて悪し)とか、名前だけはビッグな作家だけど、素描、小品、果てはリトグラフまで並べてあり、これを泰西名画を名乗って一応は県立の美術館に並べるのはちょっとどうなんだろうか…。安藤忠雄で新美術館の目玉も藤田作品らしいけれど、このコレクションも飾るの?うーむ。この美術館の名前も、藤田嗣治美術館になるはずが平野政吉美術館美術館になってそれ以来仲違い、みたいな話もありまして…。
この美術館、ロビーには画が2枚飾られており、先帝行幸のみぎり、ああ、こういう書き方をするとまた誤解される…もとい、昭和天皇が秋田に来た際に、藤田嗣治の画について説明する平野政吉と、当時の皇太子と美智子妃に説明する平野政吉の2枚、という…。この、なんというか、平野政吉さんは、秋田魁新報と同じレベルの秋田でのタブーだったりしたんでしょうか。また誤解を招くようなことを書いてますね私!
さて美術館を出て、一番の繁華街、川反の方へ。
川沿いに飲食店が集中し、『川反千軒』などと呼ばれているような、いわゆる夜の繁華街ですね。その先にある旧秋田銀行本店などを眺める。
窓口の無口なお姉さんが売ってくれた別の資料館とのセット券、実はこの時間だともう片方は間に合いませんがな…。銀行建築を眺めて出て、まだ夜の帳が下りる前、閑散としている飲食街を下見を兼ねてぶらぶら。この建物はなんだろう?どんな建築様式なんだ…
ぶらりぶらり、お土産屋を覗き、秋田銘菓の諸越は、加工のしやすさから、むやみやたらといろんな形に加工されて種類が多すぎる…などと思いつつ。歩いて駅に戻り、荷物を取り出して少し待合室で休憩。そうか、東北地方のNHKは、常時L字で地震関連の情報が流れっ放しなのか。17:30からは『東北ライフライン情報』がはじまった。毎日やっているのでしょうね。
ひとまず宿へ。本日のお宿はこちら
秋田市のビジネスホテル ひのき風呂の宿 ホテルなにわ
楽天トラベルから予約したけど、直接予約すれば良かったな。観光ですか?と聞かれてそうですと答えたら、地震と原発で大変なところにありがとうございます、と恐縮するほどにお礼を言われてしまった。いえ、そんな…。ここのお宿はワタクシ的な昨日書いた基準からすると、非常に評価の高いお宿で、秋田に来たらまた来たいと思うような宿だったのですよ。
安くて、部屋も必要十分にして清潔、ひのきの大きな浴槽で体をほぐして幸せな気分…。翌朝の朝飯も素晴らしかったけれどそれは後ほど。さあ、夜の川反に繰り出しましょう。ぶらぶら歩いて川反、ぶらっと入った酒屋『まるひこ』の日本酒の品揃えがすばらしく、しかし生酒ばかり持って帰れない。このあたりで卸してる店はあります?と聞いたらありませんとの答えでしょんぼり。あればそこに行こうと思ったのだが。まあいいや。とにかく、郷土料理を謳う店は、どうもいかにも郷土料理!というのを前面に押し出しすぎていて、あまり食指が動かない。見たところ雰囲気が良くて、評判を調べても悪くなさそうな店があったので、そこにしましょう。
五丁目の橋のたもとで待ち合わせ、さて、お店
居酒屋蘇州 - 秋田/日本酒 [食べログ]
うーん、これも『たべぞう』に出てこないじゃん、どうなってるのたべぞう。いま、はてなで一番便利なサービスなのに…。まあいいや、とにかく。蔵を改装した、お姉さんが一人で切り盛りする、カウンターだけのお店。まずは茨城から秋田までの長旅お疲れ様でしたと一杯、そしてお土産の交換会。冷蔵ケースにずらっと並ぶ日本酒に目移りしだしたところにお客さんひとり訪れて、ここからお姉さんが方言全開に。いいお店だ。
好みの味を伝えると何種類か試飲させてくれて、そこから選ぶお店。こんなのを飲みましたよ
これ以外に、雪の芽舎の、無逸という酒も。とにかく、秋田の酒しか無いとゆー。最後のはピンクのどぶろく。京大アニメ同好会出身の某氏が友人に聞いてみてくれたところ、清酒赤色酵母を使うのだそうな。これも美味かったなー。とにかく、全部うまかった!つまみも美味かったし、話も楽しくて、よい秋田の夜なのでした。本日は日が変わる前に宿へと戻ったのです